飲食店未来学:専門店化時代の幕開け8:2月の平日売上で採算をとる時代
”無理だ―!何言ってんの”という声が聞こえて来そうです。しかしやり方次第では無理でも何でもありません。たとえば、
●ワンオペ飲食店方式をとる(従業員は自分だけ)
●営業時間は4~5時間にする(ピークタイムを含む)*ランチ立地向き
*後の空き時間でも収益を得たいなら、店舗をタイムレンタルする。
●売る商品は「1料理だけ」にして欲張らない。(少しの食材、最小限度の調理の手間なので、早期提供力が抜群になる)
令和6年は飲食店新時代になった
1,ケチケチ&メリハリ外食時代の登場
地方から見ると、景気が良いのは大企業や中央官庁のある東京だけ。しかも日本の実力でなく、アメリカの景気の底堅さの影響で景気が維持されているだけ。いずれ遠からず、ドスンと落とされて、やっっぱりそうかと言われる時が来る。(歴史はいつもそうだ)
●1,300円以上の料理が売れずらくなった
●うどん店のトッピングが売れにくくなった
●コロナ期を生き延びた個人飲食店が売上回復ができずに倒産している
●夏季の猛暑で高齢客の外食行動が減少している
●高価格メニューでも合格レベルのQSCの整ったお店以外は、客数、客単価とも低下してきている
このように、4月以降から特に様変わりしてきました。
2,食材も従業員も少ししか使わない飲食店が生き延びる
開業費用をかける、多くの従業員を雇用する、多くの食材を使う。従来から行ってきたことを、根本から見直しするべき時です。ここで変えないと、利益が残りません。仕入代金を支払い、従業員の給与を支払う金銭を賄うだけの売上は手に入らない時代になってきました。(*すべてのお店ではありません)
経営者が生き残る飲食店であれば十分可能です。
平日で採算をとるしくみをつくる
今までの飲食店の平日売上の状況は、「少し赤字か、少し黒字」という売上レベルです。お店を維持する利益の50%は土日などの繁忙日の売上に依存してきました。
しかしこの繁忙日依存体質が通用しなくなってきています。じゃあどうするか、ここで目先を変えて考えてもらいたいのが、「平日の1日を黒字化する=すなわち、赤字にしない」しくみをつくる時代になってきたのです。潰れないためにこの変化は必須になってきています。
1,全メニューの平均食材原価率は30%~33%にする
多くの売上が見込めなくても、確実に原価の3倍以上の売価で売れる商品を作ることで利益が手に入ります。(売れる料理が素材なのか、ボリュームなのか、価格なのか、お店の立地や客層で変わります)(またその料理の提供時間や客席回転率でも変わります)
2,お客さまをセルフサービスで巻き込んでも、人件費比率20%以上はかけない
店側が省力化できるように、カウンター席中心、カウンター横づけ2人席など客席の工夫をする。離れたテーブル席があれば、提供カウンターに取りに来ていただく。
FLコスト率50%~55%までで平日の1日を管理することが、手に入った利益を失わない、減らさない方法になります。10数年前までは、このFLコスト率の共用範囲は70%以下であればいいという時代でした。実に15%~20%も圧縮すべき時代です。
安易に経営しても実現できません。そのためのコンサルですね。
こういう難しい時代(ある意味高度に進化した時代)の飲食業は、プロの飲食店経営者がどうしていいかわからなくなる時代でもあります。スポーツの世界でも、企業経営の世界でもみんな同じと思います。
がんばってヒントを基に実現できた人だけが、恩恵を受けるサバイバルな時代です。
(了)