食べ塾:後継者候補がお店に望む「引き継ぐ」条件とは?運命を決定する5つのこと
事業承継という事業を受け継ぐドラマは、
現経営者にとっても、跡継ぎの候補の後継者にとっても、
リハーサルなしの1回こっきりの失敗できないプロジェクト事業です!
失敗するわけにはゆかないし、かといって成功するのもかなり困難です。
しかも数年時がたたないと、承継後の結果は出ません。
事業承継後3~5年たった時点で、
後継者が経営に自信を持っていれば、成功したと言えると思います。
後継者になる人がどこまで理解して、後継者の道を歩むのか?
ここに前もってヒントとなる条件を提示して、今後に備えられる参考に
していただければ幸いと思います。(*すべて実際にあっていることです)
■承継条件1:親の経営者がお店や会社で社長として
存在しているかどうか?
父親の社長が急きょ亡くなって後継者になったとか、大病をして
入院したとか、長期の自宅療養をするようになったとかで、
経営者を引き継ぐ場合もあるかと思います。
突然亡くなられた場合は、事業や資産の詳しい内容も分からず、
法的に期限の切られた手続きに翻弄される1年間になると思います。
(*経営者個人のお金の貸し借り、保証人の有無まであります)
後継者にとって何よりも頼りになることは、
「後継者育成期間~後継者の代表者就任~経営開始から安定期まで」
現経営者、のちの先代経営者という後ろ盾があることです。
■承継条件2:社業を支える幹部社員が、協力的か?
非協力的か?
他企業から経営者の死などで、急に入社して後継者となった場合などに
一番いきなり岩盤の壁になるのが、会社のノウハウを一手に掌握する社員
が、非協力的な立場の場合です。
経営者が存命で社内に会長職とかでいたり、母親や叔父さん、叔母さん
等の親族が社内にいる場合は、押さえになりますし、応援もしてくれますので、大いに助かることになります。
あるお店では、幹部の方すらいませんでしたが、同時入社で、弟さんが
協力してくれることで安心感が湧いてきたとのことでした。
幹部社員がノウハウを握る立場を良いことに、自由に会社の方針を
経営者張りに言いつのったり、経費を乱費したりという話も
聞いたことがあります。
まわりの大半の人が年長者ばかりで難しさは伴いますが、
{味方になる人達:中間の人達:意見の反対の人達)と分けて、
1/3 1/3 1/3
いかに、反対者を少なくするか、従わせるか の手段を
講じられるように考えないといけないと思います。
(*瞬時の個人感情で貴重な人材を見切り判断すると後で後悔します)
■承継条件3:後継者自身の性格が温厚型か?
攻撃型か?まじめ派か?成り行き派か?で
かなり違う結果になります!
今までにこういう後継者候補に出会いました。
●副社長をされていた方
常に「立派・ちゃんとやっている」と言われるように常に意識しており、
人の反応ばかりを気にする気の小さい人でした。
人の力を当てにするばかりで、自分の力を頼る考えはない方でした。
(*こうあるともっといい)
どんな小さなことでも「自信の持てることを積み重ねて、小さい自信を
大きい自信に自分で、育ててゆく」ことです。
●平取締役
代表者の長男で、大学も出て、一流の上場会社に勤務経験があり
後継者候補で辣腕をふるいだした人。
父親の力と影響、そしてその企業が持つ資金力を背景に、
事業改革を行っている人。
よく頑張っているし、成功してほしいと願っていますが、
「理想100%」と気が付かずに推し進める姿に危うさを感じる。
(*私はこの方に忠告しても嫌われるだけなので目下静観中)
(*こうあるともっといい)
初期の1~2年は父親の経営者の力とお金の力を借りても、
やがてはその力を自分の本当の力に順次置き換えてゆけば、
「人望と力のある経営者」になれると思います。
●後継者指名を受けて緊急入社したまじめでおとなしい性格の長男さん
入社して半年間は1日18時間働いて、とうとう体を壊して入院して
自宅療養を続けて1か月間欠勤となりました。
でも今はまた、何の業務改善も行わないまま同じ業務に従事されています。大丈夫かなー!と心配しています。
(*こうすればもっといい)
なぜ入院するまでになったのか、
どの働き方・仕組みが良くないのかを自分で探し出して、
次にどう変えれば良いかを、間違ってもよいか結論付けて実行してみる
ことが、同じ失敗をせずに、成長できることにつながると思います。
●女性取締役
後継者候補NO,1の方です。
事業改革に対する意見は素晴らしい視点を持たれている方です。
しかし、今の父親の会社の各事業所が、どんな経営状態でどんな課題を
抱えているか?
また、コロナ禍中での経営がどういう流れになっているか?
おそらくほとんどのことは、
「正常で大丈夫」という前提のみで、経営を組み立てて把握している
という感じが凄く的外れに思い、
理解していただくには時間がかかると思っている次第です。
(*こうすればもっといい)
良い悪いは別にして、現実の各事業所をありのままに見て回り、
できれば作業の一部を数時間手伝うだけでも実感がわくと思います。
気合や主張だけでなく、実務を学び実務的な考え方を身につける!
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よく若い方が冗談半分に願うように、
「超能力と超能力思考」は神様以外にはありえないと思います。
自分の持つ能力は、「普通もしくは普通+α」と思えばいいのです。
それも、努力も鍛錬もなしに、いきなりは出来過ぎです。
経営することは数十年の長きにわたるマラソンです
「健康と知力と、努力する心が持続する!」
ことが大切と思います。
■承継条件4:社内に味方(応援者)がいるか どうか?で後継後の経営力が大きく違う!
一番経営で助かるのは、会社の主軸になっている幹部社員の方たちが
前向きな考えで、新たな経営者の応援をしてくれることです。
(少しでもより多くの頼りになる人を持つ)
●先代経営者に従ってきた幹部社員
●社内にいる親族(年齢性別に関係なく)
●会社と契約している税理士
● 〃 弁護士
● 〃 社会保険労務士
● 〃 社外取締役
●経理担当
●友人・知人
ただし、ここには「小さくて大きい罠があります」
経営者も人間ですから、危険なのは、
好意を持つ人の意見を「3倍も5倍も」重要視することです。
その人の意見を聞いて、
自分の口から発する時は、
「まぎれもなく社長というトップの立場の意見」に変わります。
自覚がっての発言ということがわかる必要があります。
公正で冷静な判断ができないと、多くの従業員さんの信頼を
失うことになり、離職者の発生と社業の傾きを招きます。
■承継条件5:右腕左腕の経営者を支える
人材候補がいるかどうか?で経営力が決まる!
先代の経営者の仕組みや内閣を見てもらうといいと思います。
経営者一人がいくら頑張っても「一人」の働きしかできません。
何倍もの力に増幅するためには、「周りのブレーンの人達」が
あってこそ実現できます。
●先代経営者のブレーンの力を借りる(役員・幹部社員)
●親族
●金融機関
●税理士
●会社の社外取締役
そして何よりも大切なのは、
●未来の経営幹部<同世代の従業員の仲間>なのです。
若き後継者の方は、このわずか数人の同市の力をパワーとして
経営者として成長されると思います。
経営者は就任して数年間は「見習い社長」と思って
自らを戒めるべきと思います。
「肩書の力量は数年後からついてくる」
というのが真実のことなのです。
後継者の方が、いつの日か
次の後継者に渡すときに、わかります!
(了)
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