飲食店の困った!を解決相談所大分3:大分の集合店舗施設の活性化を考えてみた
この投稿記事が同じような条件のお店の
集客力の改善の参考になれば幸いです
大分駅前エリアの片隅にある集合店舗の管理責任者Sさんと最近
Zoomで話す機会がありました。(何しろZoomはこの日4回目の体験)
店舗の紹介を受けました
先方から店舗のご紹介を受け、
「全部で8店舗の枠があり、今3店舗入居中。もうすぐ1店舗が入居予定なので、あと4店舗の入居テナント候補があれば紹介してください」
とのことでした。
①事前に私が依然言ったことのある店舗でしたので、どこが変わったか
HPでチェックしました。
(印象)今のままでは魅力的な施設内容と思えないから、新たに入居して
も苦労するし、現在入居されている方も大変な思いをしているの
では?と推測しました。(*まだコロナ余波もありますので)
私はSさんに、
「(以下で述べる)改良すべき点を行ってからでないと、テナント候補に方に声をかけても、『あの施設には入居する気はないですよ』と断られたら、
そこでおしまいですから今すぐは難しいですよ」と伝えました。
過去に仕事の体験で、売れない体質のお店が大量の販促投資をしても
来店者のリピートが生まれないから、大損になったことを何度も
経験しているからです。
リピートする魅力を先に作り込むしか成功しないのです。
私は、彼に、
「自分たちの力で施設の魅力の底上げをして、お店が魅力的な施設になれば紹介できます」と伝えました。
一見厳しいようですが、これは実務の世界では当たり前のことと思います。
誰しも無名であまり知らない歌手のCDは買わないですよね。
②Sさんは彼は、丸亀製麺を経営するトリドールの出身と言っていました。
40代のイケメンの前向きな考えのかたと判断しました。
彼は、この事業を通じて飲食熟練者と飲食コンサルタントの違いを
勉強することになるかと思います。
そして、それを学ぶ事で強くなれると思います。
飲食経験者は、飲食店の仕事を主観的に理解して対応します。
飲食コンサルの場合は、
飲食店の仕事を利害が絡みながらも「客観的に」理解して対応します。
そして必ず、良い結果を招く成功のプロセスを事前に描きます。
そして決められた期日内にゴールまで着実に進みます。
その違いをSさんは、これから東京→大分ほか各地の管理者として、
主観的かつ客観的に、どう対応すべきか学ぶ事になるのではと思います。
以下はこの施設の改良すべき点を説明します・・・・・・・・・・・・
■2階店舗のライブ感は1階の入口には伝わらない
私はこの店舗の最初の設計者を知りません。
この店舗の設計者の意向か、経営者の意向であったかはわかりませんが、
入り口周りの構造がタダの「入り口と階段だけ」という味気なさであり、
2階とのリンクのさせ方や2階のインフォーメーションのアピールの仕組みが全くできていない施設と、当初の開業の時から感じていました。
今回の2回目の経営の場合でも、入り口周りの変更はありません。
この施設が集客するために難しいのは、2階の店舗まで行かないと、
どんなお店が、どんな価格で、どんな料理や飲み物を提供しているか
わからないのに、
リスキーに、お客様がお店に期待して階段を上がってゆくだろうか?
ということが解決できていないのです。
私だったら、
●大型のモニターを設置(お店の中と各店をすべてライブで見せる)
●インフォーメーション用のパネルの設置
●入口上にねぶたのようなお祭り感のある大きなぼんぼりを設置
●のぼりの設置
●二階のご案内スタッフを開店時~2時間ほど1名を常駐させる
*インカム付きで。(客席の40%埋まるまで必要では)
等を行って「ワクワク感」と「安心感」と「おもてなし感」を
入口周りで提供することで改善できると思っています。
■施設としての客層が決まっていない?
来店客層は入居している各店に任されているようであり、この施設全体の集客すべき客層の1位、2位、3位が明確になっていないように判断しました。
この施設自体が強くなり、集客力を発揮するためには、
「コアになる第1位の客層が大満足するお店にまず作り込む」ことが
大切と思います。
それが出来上がってから、
続いて、「第2位、第3位の顧客層を取り込む対策を行う」
(ポイント~同時に3つを行うと難しくなり、また焦点が定まりません)
客席数は150席で3か所は個室になっているとのことでした。
以前は個室がありませんでしたから、個室は需要が高いと思います。
しかし、居酒屋や焼肉店の大型店が多い大分市では、8店舗分が1店舗分と
同じキャパになるとみることができます。
<客層分類A>
①地元客~半径10km以内の地元客、県内客
②観光客~他県から
③ビジネス客~他県から
<客層分類B>
①女性客(45歳以下) ①男性客(45歳以下)
②女性客(20代~60代) ②男性客(20代~70代)
③女性客(サラリーマン) ③男性客(サラリーマン)
④女性客(主婦層) ④男性客(公務員層)
⑤女性客(中高齢層) ⑤男性客(中高齢層)
この2つのどこを1位~3位にするかで売上も客単価も、来店時間も
来店する曜日も変わってきます。
そうなると、
この施設そのものがどのお客様に来て欲しいということを決定して、
●メニュー作りが大切・・・・・・客層に合わせる
●価格設定が大切・・・・・・・・客層が払える金額
●サービスの仕組みづくり・・・・客層が満足するサービス内容
を一致させなければ、早急な業績向上はなかなか難しいのではと思います。
繁盛店づくりは時間がかかります。
■各店のメニューが分解されて紹介されている?
飲食店として独り立ちする資金を持たない方でも、歩合家賃で入居
できるようですから、飲食店経営の経験が浅い方が入居しているようです。
料理の腕は良い方達と思いますが、メニュー作りはあまり感心しません。
<メニューを見た印象>
●大分の人(地場客)が来店して食べたい料理を取り込んでいない
●大分の名物料理が見当たらない(観光客に向けて)
●ボリュームが不適切なメニューがある(多すぎ・少なすぎ)
●価格が一般感覚で見てもちぐはぐというものがある
高くても売れる料理を少なくして安い価格で売っている
安い食材を多く盛って高い価格にしている
手直しするべき問題点が、メニュー上でもあると感じました。
かの管理者のSさんに、
大分市内の居酒屋の繁盛店のメニューを参考にして見直しをされたらいいですよ!と伝えました。
この企業と同じような都市(大分・宮崎・鹿児島・長崎・福岡など)に店舗展開している個室型のご当地居酒屋の緑屋さんは、
福岡の会社だけあって、上手くご当地色(地元色)をパクっていると
思いますので、こういうお店をまたパクればいいと思います。
分解された単品メニューで、
各テナント店の個性やコンセプトが十分に活かしきれていないと
感じました。
■わざわざでも行きたくなるライブハウス要素を
持てばいい! アミューズメント性が欠如
大分市の西のはずれにかなり昔から有名なライブハウスがあります。
中心街にも1か所ライブをするお店があります。
私は個々のお店も、立地から見ても、150席でなくてもいいと思います。
5席~10席分を取り払って、ライブのステージを作ると、行きたくなる
お店が誕生すると思います。
大分市や別府市のストリートミュージシャンの方達の無料の演奏場所
を提供することで、ウインウインの関係ができると思います。
例えば、
毎回賄い飯のサービス付きで、ワンステージ1000円、1日3ステージまで
という形で考えてみました。
少しの縁があったこの集合店舗のご繁栄を
心から願っています
本当に大繁盛させるにはどうしたらよいかが
見えていて、それを具体化して、
順番に積上げないと、成功しないことになります
これからの飲食店開業をめざす方にとっては、
街中立地の場所で、「歩合家賃」だけという
手軽さは、大きな魅力があると思います。
楽して儲かる時代ではありませんから
がんばりましょう!勝つまで!
ほんの3か月~6か月の頑張りで大きく変えられます!
☆☆☆☆☆
元気な飲食店が増えることは外食産業の活性化につながります。
是非、
「改革に不可能はない」と思ってチャレンジしましょう。
幸福の女神は、がんばった人に微笑んでくれます
(了)