たべものコンサル日記117:メニュー変更時にわかる経営者別3つのあり方
メニュー変更においては短くて1か月半~長くて3、4か月かかる場合もあります。この時の経営者の方のかかわりの形にその経営者の方の特徴があります。
経営者の方に寄り添う参謀の方、経営者の方から指示を受ける方、それぞれ少しだけ理解してわかっておくと、仕事が楽になります。
経営者タイプ1: 目的を伝え、資金は出すが詳細な介入は一切しない 経営者
一番大物のタイプの経営者像であり、経営者50人、100人に1人くらいなレアな存在の大物タイプの方です。
自社のメニュー変更という「心臓部の変更ごと」ですので、成行きが心配であることはどなたも変わりはありません。
うまくやれるだろうか?間違って、切替後に逆に売上が下がったりしないだろうかと本当は気になっていますが、「組織を作り組織を活かす」建前に反することを自分から行うことはできません。
せいぜい行うことは、「経営者自身の目で見て人選したプロジェクトを組む」ことだけかと思います。
信じてやらせて、プロセスのチェックだけをされる方です。
選んだ部下の人に全てをまかせても、人選と指示を行ったので、結果の責任は経営者自らにあると決めている方です。
経営者タイプ2: 自分が積極的にかかわらないと重要な物事はうまくゆかないと考え、細かい指示を適切に出す経営者
<現場経験が豊富なタイプ>
現場でメニュー変更のプロジェクトを組んで、一緒に参加しながら、コンセプトを共有したチームによりメニューの改善・改革を行う過程で、節目節目で経営者の方に意見を言っても、現場の状況、お客様のニーズを知っているので、即座に的確な回答を出してくる方です。
もし、間違った意見を言われた場合でも、チームに参加したスタッフから意見を言われるとちゃんと吟味したうえで、修正変更を指示される方です。
比較的年商規模は小さくても成長企業路線にある飲食企業の経営者の方に多いタイプです。経営者自らが、創業以来、調理も接客も体験済み、メニュー作りもいろいろ試行錯誤体験がある方が多いタイプと思います。
経営者タイプ3: 自分が積極的にかかわらないと重要な物事はうまくゆかないと考え、思い付き指示を連発する経営者
<現場経験が半分もないタイプ>
仕事は任せてくれるが、自らの持つ「社長権限」という真剣を振り回すタイプです。飲食業以外に別に本業がある経営者の方のタイプと、先代経営者と入れ替わった後継経営者の方がこのタイプに多いかと思います。
権限行使をされることは経営者として当然のことですが、最も多いのが、
「自分の思い付きは最高のプランだ!」という思い込みが強く、是が非でも実現しようとリキを入れたりすることです。
一番が会社のため、二番が従業員のため、三番がお客様のため
に必要なことと思います。
多くの場合、会社のためと思い込んで自分のためにシノギを削っています。
このタイプの方も経験を増したり、年齢が増したり、良きリーダーに出会ったりすると、どんどん良き経営者に成長されてきます。
(このタイプの経営者の方によく見かける傾向は)
◎自分の判断に自信が無い
◎迎合する人間をかわいがる
◎人を信用しない
◎人を気軽に利用するが責任はもたない
◎本当は信用されてなく人望が無いことを知っている
◎金融機関が苦手
◎思いついたことは万難を排しても実現したい
◎改善・改革はしたいと思うが努力はしたくない
◎頭を使って考え込むことはしない
◎仲のいい人間の意見は、嫌いな人の意見の10倍大きく言う
◎お金を気軽に使う(お金の重みを知らない)
◎現場経験が無くても、平気で的外れな意見を連発して現場を困らせる
忙しくても、経営者だから対応処理が必要になる
いやはや、いずれにしても人間の世界は実に生臭いものです。
多くの経営者の方が、
3番→2番→1番と進化されていると思います。
(了)