食べ塾X:「来店客数」の仕組み自体が大きく変化しています!
昭和の時代から平成の時代のいわゆる今までの売上の公式は
来店客数×客単価=売上高 と言われてきました。
令和の時代になっても大原則はこれで良いと思いますが、
少し深堀利すると、大きく違ってきているのです。
■従来の来店客の公式
月間平均来店客数=来店客数(固定客±お試し客)+新規客数-離反客数 です。
月平均客数ですので、毎月の売上は一定でなく変化します。
それぞれの月別人数はそのお店独自の「月変動指数」(月毎の平均月商に対する変動比率→業態・立地・季節・客層・客単価等で異なります)で異なります。
おおむね平均月商の±20%の変化幅で、年間の月変動指数の幅は80%~120%と考えると良いと思います。
■令和時代の来店客の公式
月間平均来店客数①=
【来店客数(固定客±お試し客)+新規客数-離反客数】×90%~80%
月間平均来店客数②=10%~20%が店外売上の構成客(多様化客)
テイクアウト利用客、デリバリー利用客、通販利用客
ケータリング利用客、自社商品自販機売上利用客 など。
つまり、従来は飲食店内でしか食べられなかった料理や飲料が、
多種多様な購入手段により、ケースバイケースで利用できる時代になったと
いうことです。
これ一つ見ても、店売100%で売上をイメージすると、現実とのギャップが
できることになります。まず、人件費が合わなくなります。
次に、テイクアウト向きの料理以外の食材の回転が悪くなります。
売り方により、料理の商品としてのあり方が変わります。
♡従来の基本的な客層についての知識を再確認しましょう!
■固定客
焼肉店でしたら1月に1回~2か月に1回で平均的には1.5か月に
1回利用する業態とみることができます。レストランや焼鳥店でしたら
0.5か月~1か月毎に最低1回利用かと思います。
●完全固定客
外食に出るならこのお店、〇〇を食べるならこのお店しか行かないと
いう熱心な客層です。
いまは、完全固定客層が少なくなってきています。
若者ほど掛け持ちの流動的固定客そうですが、頻度は中高齢者より高くなります。
反面、若者より中高齢者は、平均客単価が30%~50%高くなります。
●流動的固定客
今の固定客の過半数は、流動的固定客(居酒屋で数店舗、焼肉屋も数店舗、ラーメン店でも行きつけが数店舗あるというように、すべてを入れると常連的なお店が10店前後はあるという客層です。
20代~60代前半くらいまでの年齢層に方が今は、流動化した外食を行っています。
●もうひとつの固定客 お試し客
お試し客は新規店や既存店で興味を持ったお店にお試し感覚で利用する
客層です。SNS情報などで行動します。
初回~3回目の来店までにハートをキャッチしないと来ないお客様です。
ある意味では、「固定客候補」なのです。
商品力、価格、お店の居心地などトータルで感じ取り判断します。
固定客の定義とすれば、
「毎週利用する~1年に1回は利用する」
までの範囲が固定客の最大限と思います。
*予算で選ぶ
*食事で選ぶ
*一緒に外食に行く人で選ぶ
*個室の有無で選ぶ
等で 利用する店舗が選定されます。
■新規来店客
繁盛店は言い換えると知名度が高く”いつか行きたい”という潜在的ま新規来店客見込み数を多く持っているお店であり、毎月、毎日の新規客数が総来店人数の10%~20%近くになるお店です。
一般的には、開業から15年間以上は毎月の新規来店客数が
「最低10%」は来店していただけている
と考えていただければよいと思います。
長年にわたりアンケート調査した結果、
10年を経過したお店でも新規客は10%を維持していました。
SNSの活用でもっと比率は上げられると思います。
湯布院などの観光地立地では、50%以上が新規客というお店も珍しくありません。(*でも観光客のオフシーズンはお暇です)
<新規客数の増加対策>
1、新メニュー作りが活発 ~トレンド食材、調理方法の取込みが早い
2、メニュー作りが上手 ~商品のネーミング、価格表示がうまい、
ちょっとした女性向けのサービス心を提供している、写真が鮮明で
美味しくアピールできている など。
3、価格設定が適切 ~来店客層のお客様が何とか支払える上限価格の
5%~10%手前に価格を設定している。
1,000円にしたいけど、オーダーが増えるように980円、950円にする
などの工夫です。
4、SNS発信がこまめにタイムリー
5、リピート力、口コミ力の強い女性層が満足する店づくり
~おしゃれ感、清潔感、彩り感、器の選定感などがある。
6、美味しさと共にお得感がある
7、店内だけでは商品のことは広がりません~店頭、駐車場、店舗の壁など
何でも表現して、「来ていない人に興味を持たせる工夫」をする。
■離反客
(今まで来ていたお客様が来なくなる数)
離反客は月間・年間で5%~10%あるとみていただければよいと
思います。
1、不満足客(気に入らない何かがある人)
2、転勤客
3、商圏内の新規店への乗り換え客
4、外食をしなくなる客(年齢・病気・交通手段の欠如など)
5、あの世へ旅立つ客
などがあります。
DMを送ると10%以上が返ってきます。
一般的に、
新規客で 加算できて、離反客で減少してしまいますので、
●新規客10%、離反客10%なら・・・・お客様の来店数は現状維持
●新規客15%、離反客10%なら・・・・ 〃 は5%アップ
●新規客10%、離反客15%なら・・・・ 〃 は5%ダウン
となります。
さらに、
来店客の中のお試し客(メニューを熱心に見る、店内をよく見るなど)を
取り込むことで、客数アップができます。
お客様づくりはお店を経営する方にとって最大の使命です!
お客様あっての飲食店商売になります。
(了)
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