食べ塾56:食材値上りは飲食店主の覚悟を試す?ジリ貧我慢か値上げするか?
■飲食店に食材値上げが襲いかかる
食材の年平均値上がり率は2%だという。中には10%前後も一挙に
値上りした食材もあり、過去の経験や現在の生産の仕組みから思うのは、
・日本の食料自給率が35%程度
・魚(漁師の過半数が高齢者)、野菜(農業従事経営者は高齢者が多い)
肉(牛豚鶏は疫病が起こり、飼料代が高騰し利益が出にくい)
しかも若者の新規参入がまだまだ少ない。
*大規模経営先は利益が出るが生産コントロールする力がある。
全食材平均が2%上がる場合には、平均的な食材原価率35%と
した場合には、「5.7%」の値上げを毎年行わないと
同じ利益率にならない と考えています。
しかも、
過去1年間の食材の値上がりを取り返すために、売価を5,7%引上げても
翌日以降の値上がり分はまた、我慢の対象になりますから、
今年の6か月先、できれば1年先の分までカバーした値上げが必要です
そう考えると、
5.7%×(1+0.5)=8.55%≒8%~9%
5.7%×(1+1)=11.4%=11%~12% となり、
トータルで考えると、
令和4年春~夏の値上げ(*コロナ半減期以降)メニュー価格の上げ幅は、
店舗平均で8%~12%の値上げをする形がおすすめです
●原価率が25%以下で値上げなしに・・・価格を据え置きするメニュー
●5%前後の値上げをしておいた方がよいメニュー
●10%前後の値上げ 〃 (ここが一番多い)
●肉・魚・野菜の特定部位や指定産地物・・15%~20%の値上げをする
<高級食材の選択方法>
①10%値上げして10%原価を下げる(見劣りする程の原価下げは危険)
原価率37%の食材なら10%=3.7%分の原価カットになります
②高い付加価値があれば、高級な別の食器に盛り変えて20%引上げる
*A品からB品に変えたり、10%以上量を削減することは避けたい。
■経営者の『受け身の我慢』は何も生まない
私はこのように思います。
1,値上げして失敗すると倒産するリスクがある
まさに水泳の飛び込み台には立ったが、どうも飛び込めない自分が
そこにいる感じです。怖いことや苦手なことを避けたい自分がいます。
よくよく考えてみてください。
避けて通れるものならそれでいいのですが、毎月毎年値上げだらけで
利益がなくても経営できますか? なのです。
2,値上げメニューを細かく検討するなんて面倒くさいし嫌だ
生きのびたいけど頑張りすぎるのは嫌だし苦手だと思う
経営者の方自身がいる。人間だから気持ちはわかります。
だけど、
成功している人はみんな嫌でも克服して強くなってますよ!
と是非ともお伝えしたいのです。
3,値上げを成功させる自信がない
なんでもそうですが、何度も何度も繰り返し吟味して検証して
ゆくことを行えば、
「確証」(ここまで詰めればほぼ大丈夫)が心に芽生えてきます。
私も1年間に8店舗以上新規開業を行った経験がありますが、
真っ白な実績ゼロの新規開業でも、店舗コンセプトを決め、店舗立地や
内装、メニュー作りをする過程で、
開業前日には「成功率80%」との確信をもって臨みました。
リスクは検証の繰り返しで払しょくされます
仕上げる直前に、
「消費者目線で再チェック」さえ忘れなければ大正解です
明日に向かって頑張りましょう!
(了)
*この稿より1200文字投稿を心がけます 1月10日(17日投稿予定分)