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23年度の飲食店対策5:飲食店も弁当店も食材原価率を35%以下にする

飲食店の月間の食材原価率(仕入食材の比率)を30%以下にすることは、
罪悪だと思っている業界関係者の方もいます。

私はそうは思っていません。
普通に満足する料理を提供している、麺類店、イタリアン、フレンチ、中華料理店などは、実際に28%~33%程度で普通に営業できています。
長年かけてその原価率で売れる仕組みを作り上げた業態です。
(*ただし本部費が別途にかかるチェーン店は別です)

23年度以降は、一般飲食店も、弁当店も食材原価率目標を個々に定めて
目標に近づくための食材原価率圧縮を行う必要があります。

「メニュー価格の値上げ」と「食材原価率コントロール」の2つ
があってこそ、儲からないと言われる飲食業が儲かる飲食店に変わります


■令和時代に生き残り可能な飲食店の食材原価率
 は、「35%以下」の個人店、小規模店、専門店


1,食材原価率35%超えの本部費に多額の経費が必要な大規模チェーン店は
  1年毎に衰退する予測です

 チェーン店の本部費の比率の中心比率は売上高の10%です。

食材コストが下から追い上げてきて、コストアップ分をすべて賄うだけの
値上げ率が成功しない限り、チェーン店は「利益の溶解」により、
今後は組織が成り立たなくなります。
 
チェーン店として成り立つためには、ローコストで良品を生み出す知恵と
工夫が必要です。
不可能と思わずにチャレンジしないと道は拓けないところまで来ています。

安くて美味い料理開発をし続ける

同一食味圏ごとのCKの確立(分社化の時代でもある)
(料理開発&食材開発のローカル分割化、配送距離の短縮化、人材育成)

・今までの基本の「全国統一」という管理をやめないと、成り立たなく
 なってきていると思う。巨大な本部は果たして必要か?

・規模が大きいほど同一食材で同一品質のものが、決められた期限内に
 多量に必要となる~これも、潤沢な供給時代の仕組みだと思う
 今からはこれが最大の難問です。(品不足の壁、高値買いの壁)

2,小回りの利く個人店、小規模店、小型専門店が優位な時代が始まる

 
人、食材、資金(お金)をコンパクトに必要最小限度に投下することで
店舗規模に比べて大きな利益を得られます。

昭和、平成時代のような安直な飲食店経営の時代とは違います。

食材も、人件費も、光熱費も上がる時代に「利益を出す」仕組みは、
食材原価率を可能な限り引き下げた条件で、美味しい料理開発する
たゆまぬ努力が必要です。
これにチャレンジして実現できた比率の分だけ生存率が高くなります。

一番の利益を生み出す原点は、食材原価率が低く、利益率が高いという
「稼げる利益システム」がお店の基本にあることです
 


■食材コストを吸収できる飲食店の仕組みと条件

1,フレキシブル給与体系+生活保障システムで人件費コントロール
 今後は売上もいろいろな要因で大きく変動することも考慮しないと
いけないと思います。

・20万円の給与の人に、売上が目標より高い売上を達成すれば、
 加算金(成果報酬)を出す。一部を店側で貯蓄する。

・反対に売上が低い場合は、20万円より低くなるが、店側の資金や個人の
 貯蓄分から不足分を出して、20万円満額をちゃんと支給する。

・退職時は過不足を清算をする。

・・・・こんな仕組みも考えました。

FLコスト率(食材費+人件費の比率)のうち、フードコスト率が上昇すれば、人件費の±コントロールを行うことで、次回の値上げで収益性が戻るまでの月々の経営がしやすくなると思います。

また売上達成できた分は成果報酬として還元できるので、少ないスタッフ数でがんばった報酬としても、お店側が容認できるものと思います。

2,家賃が不要、家賃が比較的安いお店は食材原価率が37%位までOK
 通常は売上に対しての家賃比率は8%~10%です。

 かなりローカルなお店で対して儲かってなくても、潰れていないお店は、
家賃が自己所有店舗で不要、従業員は家族で賄っているというお店です。
こういうお店は、売上高の最大10%、人件費の5%の合わせて15%くらいの
「比率の余裕」がありますから、

食材原価率が「40%超え」でもちゃんと利益が出ています。
また、お得感のある料理内容ですから、地域での人気も高いお店に
なります。

ダメ押し的に言うと、毎年2%の食材原価率アップが3年間続くと思うと、
このお店でも、値上をしないと比率的余裕はなくなってきます。


3,従業員がパートだけ、または家族で経営の場合は、
 食材が値上がりしても人件費コントロールでしのぎやすい

 従業員の中に社員さんが1名いるだけで、人件費の重みは
変ります。
基本、1店舗の場合は、オーナーシェフの他に1名の社員がいれば、
後は、昼夜のパート店長が接遇サービスと店舗管理をしても構いません。

パートさんの活用、家族の活用(いる時だけ参加)も今後は必要です。

(了)
 

 

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