飲食店未来学118:新ワンオペ飲食店のメリット⑨~営業時間と店休日が自由
この新ワンオペ飲食店とは、新たに増えつつある飲食店の負担をことごとくそぎ落とした形で「経営者と時々パート」で繁盛を続けるラーメン店、魚専門店、ふるさと膳料理店などのお店の謎を解明す10回シリーズです。
このシリーズも今回と次回で終わりです。嫌われる過酷なしくみと言うワンオペ飲食店が、新しく仕組みを整えれば、売上は小さくても立派に黒字化できる飲食店の詩君になるという説明をしてきました。
前回に客層設定は自由(お客さまが店を選ぶから、店は客層を決めずに個性的な完成度の高い店をつくればいい)と説明しました。今回は営業時間も店休日も自由に決めましょうという説明です。
1店舗15席だからこその自由が基本形
ワンオペ飲食店は、経営者がひとりで買い出し、仕込み、調理、接客、お見送りをする飲食店です。だから、無理がこないように「最小限度のしくみ」と「自由なしくみ」で運営でするのがコツです。
1,最小限度のしくみ
①ワンオペレーション(経営者1人で運営する)
パート人件費がかからないのが強み。経営持続力になる。
②客席数は15席以下
出来れば8席や12席が良い。あわてずにきちんと対応できる客席数。目標月商に合わせて目標客単価を設定して実現させる。
③メニュー数は最低1品目だけ
多くのメニューは必要ない。自分が提供できる最高の一品のみを唯一のメニューとする。そしてベストの調理で1秒でも早く出す。
④週5日は営業する(他の収入源を持たない場合)
休日は固定の方が覚えてもらえやすい。生活費を全額賄うなら週に5日の営業は覚悟する。
⑤1営業日最低4時間は営業する(ピークタイム中心)
ピークタイムは短くて30分間~長くて90分間です。前後を含めて4時間は営業する。調理と提供のしくみは、ピークタイムに対応したしくみをつくる。(最大限度までの効率化を図るとともに美味しさも保つ)*難しいに決まっている。どこもこれで苦心している。
2,自由なしくみ
①好きな食材と好きな料理を選べる
自分の一番の自慢料理を看板料理にする。2品目以降は仕込み量を少なくして売り切り商品にする。(看板商品にオーダーを集中させるため)
②売価を自由に決められる
唯一条件があるとすれば、目標月商が高くなればなるほど客単価が高くなり売価も高くなるため、売る料理の種類と内容の程度が問われるということです。
③客単価も自由に決められる
基本的には自由に決められます。月商目標が高くなるほど、営業日数や営業時間の拡大が必世になります。
④客層に固執しなくてよい
新人が開業しても、半分のお客さまが想定通りでも、残りの半分は想定外のお客さまだったという例は多い。理屈通りに行かないことも開業の楽しみです。店はお客さまを選び、お客さまは店を選んで客層が固まる。
⑤営業時間は自由に決められる
最低4時間の営業時間は必要。毎日反復して体力や気力が持続できる営業時間数が一番良い。営業日数と営業時間数の条件の中で目標月商と利益をどう確保するかは経営者の工夫次第だから。(一般的に4時間~6時間が多い)
⑥店休日も自由に決められる
たとえば、自店の料理がファミリー向けの場合は土日祝祭日営業を行わないと売れません。売る料理の売れる条件を満たせば、店休日は自由に決められます。
新ワンオペ飲食店のしくみをもっと詳しく知りたい方はこの本をお読みください(著書)
本文の説明と別個に、役に立つコツや提案、チェックポイントなどを各処に織り込んでいます。初めて開業をする方にとって本当に役立つ実務ベースの総合開業本の内容です。(すべて現場スタッフと仕事をして得た知恵を核に記載)
はじめに
第1章 開業成功の条件
第2章 店舗コンセプトを決める
第3章 創業計画書の書き方
第4章 開業スケジュールを作成する
第5章 資金調達のコツ
第6章 店舗を選ぶコツ
第7章 内装工事業者を選ぶ
第8章 厨房設備業者を選ぶ
第9章 その他の業者の種類と選び方
第10章 開業メニュー制作
第11章 従業員採用とハウスルール
第12章 開業前チェックをしよう
参考資料 料理の原価計算ノコツ
おわりに変えて
著者プロフィール
(了)