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食べ塾:飲食店の成功ノウハウは「飲食業態」ごとに全く違うんです!の話

  「飲食業」=たべもの商売 は、どれも同じやり方でいいと、
知らない人は思うでしょう。
確かに共通点が50%あれば、個々別々にこれがポイントという違いも
確実に50%あることになります。
そしてこの「違う部分の50%」を理解して活用した人が、
開業して成功する人たちと思います。

こう考えてみてください。
●焼肉店
●うどん店
●居酒屋
の3つの業態があるとします。


同じ飲食店であっても、
適正な店舗規模や、食材原価率、定番メニューや運営ノウハウなど
全く異なる要素が数多くあります
「飲食業態ごとの違い」です

■共通しているところは

1,店舗と食材と人があれば営業できること
  これはどの飲食業にも共通しています。
  しかし、経営する業態によって、適正な店舗の面積も、必要な人数も
  揃えるべき食材数も違ってきます。

2,経営管理方法は同じ~人物金を活かしきる
  本社があれば、複数の飲食業態を経営しても、
  基本の経営ノウハウは同じです。
  違うのは、「その業態特有の成功ノウハウ・コツ」が異なりますから、
  いうなれば、全体の50%は「共通」、のこりの50%がそれぞれの
  業態特性があると考えるとよいと思います。

3,FLRコスト率が70%を目標とするところ
  ●F率(売上高に対するフードコスト比率
   おおむね30%~33%
  ●L率(売上高に対するレイバーコスト率=人件費比率
   おおむね27%~32%
  ●R率(売上高に対するレント比率=家賃比率
   おおむね8%~10%


<FLコスト率管理→FLRコスト率管理への移行の時代>

店舗にとってビッグ3のコストであるFLRの3つを、
合計して「70%」に収めるように管理することで利益確保をします。

売上を伸ばし適正経費になるまで削減し、店舗移転まで含めた家賃対策を
行なう必要があります。(*この店のままでいいのか?と疑問を持つ)

(例)F:32%+L:28%+R10%=70%

決して無茶な条件ではありません。
ほぼ100%完全黒字経営店はこの仕組みができた店と考えてください。

4,QSCAが繁盛の基本であり大切なこと
 
 ●Q:商品力  ~食べたい料理としても魅力、高く見えない価格設定

 ●S:おもてなし力 ~よく言われている接客力・接遇力・サービス力

 ●C:清掃・整理整頓→清潔力 ~口に入れる食べ物を提供するお店
                 の基本条件です。

 ●A:お店の雰囲気力  ~「繁盛店は居心地がよく快適」と
                  覚えておいてください。


■では、飲食業態別に違うところは?

最適な店舗規模が違う

  それぞれの飲食業態により、例えば人口1万人のうち何人が
「今日この料理食べに行きませんか?」と言われて「ハイ」と答える
人が〇%いるか?

言い換えれば、飲食店の料理人気ランキングベスト30の想定時に、
上位に入るほど「大規模店」でも満席にできますし、
半分以下のランクであれば、「中規模~小規模店」にした方が、
「あそこはいつも満席で流行っている!」と言われます。

食材原価率の目安が違う

  例えば、焼肉店の食材原価率が43%、うどん店の食材原価率が33%
のように高コスト食材のお店と低コスト食材のお店では最大10%位の
食材原価率の差が出ます。

平均客単価が違う

  焼肉店の食材原価率は高くても、一人当たりの売上高が
2500円~10000円(中心価格帯3000円~4500円)ありますので、
平均客単価が4000円前後になります。

一方うどん店での平均原価率は、定食物が多いお店で1200円前後、
単品の人気が高いお店で800円~900円台がてっぺんです。
総じていえば、平均客単価900円前後の業態です。

キッチンの機材が大きく違う

  飲食店の厨房は、「基本=必要最小限度の機材」です。
しかし、出来上がると隙間なくびっしり機材で埋まります。
共通しているのは、
食洗機、シンク、作業台、製氷機、湯沸かし器、電子レンジなどです。

メニューの決定→必要機材のリストアップ→厨房設計→見積もり

の流れで通常は仕事をします。
<重要>
決して厨房設計が先で、メニューが後ではありません。
(*あとあと足りない機材を入れる場所がなかったり配管排水が
  なかったりしてBランクキッチンになる例が多くあります)

運営ノウハウが違う

焼肉店では
食肉の仕入時の目利き、整形技術、カット技術、冷凍冷蔵保存技術
メニュー化ノウハウ、盛付ノウハウ、タレ類のノウハウ、販促ノウハウ
など繁盛店になるための多くの身につけるべきことがあります。

うどん店では、
どんな小麦粉を使った生麺・半生麺の製麺技術、又は乾麺を使うか?
だしの取り方、かえし(だしの原液みたいなもの)の製造と寝かしの
ノウハウの取得、ゆで方、メニューの作り方、早期に提供する仕組み
天ぷらの技術、惣菜料理作りの技術などが必要です。

居酒屋では、
揚げる、焼く、炒める、煮る、蒸すなどの料理の調理ノウハウと、
お酒の選定ノウハウ、食材の保管や調理ノウハウ、魚や冷凍食品に
ついての調理と取扱いノウハウなどが必要です。
旬の食材、流行りの食材についての情報収集力も必要です。

わずか3つの業態だけでもかいつまんでご説明するとこんな感じです。


1,それぞれ業態ごとに「専門店」としての価値を持たないと繁盛しません
  
特定の飲食業態を「もっと好きになり」「お客様を感動させたい!」
  と思ったら、専門店として、
  いろいろなノウハウを満足していただけるレベルまで引き上げる必要が
  あります。
  
2,必要な期間は専従ではまらないとノウハウは見えてこない
  
人から聞いたことでもヒントにはなりますが、
  そのまま使えるノウハウにはなかなかなりません。
  なぜなら、
  業態が同じでも、立地が違い、店舗規模が違い、スタッフ数も違い、
  売上高も異なることになりますので、
  
  身長や体系が違う人に同じ服は着れない合わないことと同じです

  どっぷりはまって考えてから、ノウハウのたたき台(試案)を作り、
  それを遵守する従業員目線、受け止めるお客様目線で吟味して、
  支障なければ「基本マニュアル」にすると良いと思います。

3,専門店完成度80%以上が繁盛店レベルです
  来店客の90%前後の人が満足するためには、
  100点満点のうち専門店として80点は欲しいところです。

  ●職人さん系の経営者
   今でも、「美味しい料理を他所より少し安く売ればいい」と
  料理に依存した考えを持っている方がいます。
  そして、
  この傾向の方は、計数分析・計数管理がほぼダメです。
  家業として行う場合が多く、長期飲食店経営者の場合が多い。 

  ●エリート系経営者
   理論理屈から合理的な仕組みを作り、SNSも活用します。
  仕組みづくりに長けており、事業展開も理路整然としています。
  飲食業が好きというよりも、
  飲食事業は小資本投下で事業化できる絶好の業種として、
  儲けるための飲食店事業者の側面を持った経営者です。

  理論派の経営者と現場実践派の店舗実務者との確執が生まれる
  場合も多くあります。

  
いずれの場合でも、創業から3年以内に運転資金が枯渇する前に、
完全黒字領域に達する必要があります。

●開業から6か月間 ~悪くてもこの範囲が赤字容認期間

●7か月目以降   ~リピート客中心に成長して赤字6ヶ月黒字6ヶ月
           位が相場的なところです。
●2年目、3年目  ~2月、6月、9月あたりが赤字でも、
           もう年間で黒字決算ができる頃です。

 新規の飲食業態を開発する時は、
●専門店として
●どんなお客を
●どんな立地の
●どんな店舗で
●どういう風に

おもてなしして満足していただくか?

を考えて作り込みしましょう!

(了)



  

飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします