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飲食店未来学114:新ワンオペ飲食店のメリット⑤~開業費用がかからない

この新ワンオペ飲食店とは、新たに増えつつある飲食店の負担をことごとくそぎ落とした形で「経営者と時々パート」で繁盛を続けるラーメン店、魚専門店、ふるさと膳料理店などのお店の謎を解明す10回シリーズです。

開業費用は半分しか返ってこない投資と考える

飲食業界の良き時代(昭和~平成期)には、開業にかけた費用は、開業から5年間~10年間の期間で全額元が取れる(回収できる)お金でした。しかし、令和7年度の客数減、客単価減(高級専門店以外の飲食店)による売上の減少により、開業費用は全額は返ってこないと考えて計画したほうが良い時代となりました。

具体的には、開業費用を金融機関からの借入金で賄った場合、経営者の取り分を全額とれば銀行返済金が不足する、反対に、銀行返済金を満額とれば経営者の取り分が不足する事態が今の現状です。

小規模個人店舗で開業費用を最小限度で開業すれば回収しなくてもよい形ができる

言いたいことは、開業費用の大半を貯蓄した自己資金で賄えば、回収しなくてもやってゆけます。

20数年前にコンサル業の傍らで、13席の居酒屋経験をしましたが、その時の投資額は100万円ちょうど。テナント獲得に50万円、厨房の炭火焼きの炉や羽釜を据える釜戸、壁の造作や照明器具の設置など店舗改装や看板製作をすべてDIYにより50万円で行いました。(坪数14坪、家賃75,000円、専用駐車場2台)

■個人経営のワンオペ飲食店の基本条件

1,客席規模15席以下
一人経営で運営できる小規模店舗にする

メリットは、
★開業費用が少なくてすむ
★人件費負担が少ない
★家賃が安い
★ランニングコスト(維持運営費用)が多くかからない
★経営者の生活費(人件費)を捻出しやすい

2,駐車場の有無に縛られない
駐車場依存率が少ないアルコールを提供する夜型業種を選ぶ、または広い共用駐車場のある複合施設に出店する

3,居抜き店舗の活用
厨房設備の変更や客席の壁回りの変更、照明器具の変更だけにとどめて、70%以上は居抜きの原型を生かし、「雰囲気だけを以前と半分以上変えて」開業する。経営者自らDIYをする。作業員として働きコスト削減する。

4,開業費用は350万円以下がよい
一番のおすすめは、自己資金とすぐに返済しなくてよい親族からの借入です。返済金がひと月に5万円以下の返済金は何とかやり繰りつきますが、私の経験では、7万円を超える金額は大きな負担です。

少ない押さえた投資額で開業して、営業を続ける期間中に経験とノウハウが蓄積され、信用が大きくなり強くなることができます。(持続こそ力)

運転資金が底をつく、毎月大きな赤字が続く。。。経営者が病気になる原因です。大きな開業費をかけなければ大きな負担にはなりません。

この小規模店舗を経ていつかもっと本格的な2号店目を出店した時には、もう少し、お金をかけて思いを形にすればいいのです。


転載禁ズ

<参考>

■15坪以下の店舗は1坪/0.8人~1.5人で客席数を計算する

●高客単価店~0.8人~1.2人目安(専門店)
●中客単価店~1.3人~1.5人目安(一般店、ローカル立地店)
●低客単価店~1.6人~2.0人目安(大都市立地一般店、低価格店)

このシリーズはNO、10まで続きます。

もっと詳しく知りたい方にお勧めの本


私の著作本です。昨年の12月に発売していろいろな方に読まれています。
特徴
●ひとものかねを最小限度にして最短で確実に利益を生み出す飲食店の開業の方法を詳しくわかりやすく説明。飲食初心者の方に最適

●令和7年以降の飲食業界の大きな変化の中でも利益を上げる考え方と仕組みづくりを説明。飲食店を経営している方にぜひ読んでいただきたい内容です。

第1章 開業成功の条件
第2章 店舗コンセプトを決める
第3章 創業計画書の書き方
第4章 開業スケジュールを作成する
第5章 資金調達のコツ
第6章 店舗を選ぶコツ
第7章 内装工事業者を選ぶ
第8章 厨房設備業者を選ぶ
第9章 その他の業者の種類と選び方
第10章 開業メニュー制作
第11章 従業員採用とハウスルール
第12章 開業前チェックをしよう
参考資料 料理の原価計算ノコツ
おわりに変えて

Amazon kindle本 

(了)


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オードリー7|🥕フードビジネスクリエイター
飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします