変る飲食店1:利用目的が「餓死しないため」と「幸せなひとときを満喫するため」に分かれる年
*「変わる飲食店」は4月にかけてシリーズで投稿します。
40数年間飲食業界に関わってきて、令和5年の飲食業界のあり方ほど
難易度の高い時代はなかったと思う。
・経営方針など、この先の確かな予測が立てにくい年
・未経験者が新規出店しても、10%も成功しない難しさを感じる年
・今まで研鑽して掴んだノウハウではもはや利益を出せない年
既成概念の半分以上を取り壊し、
「繁盛店づくり」にはいったい何が必要か?を命を賭けて
突き詰めることが、今こそ必要とされています。
🍍1:食べることを突き詰めると、
「餓死しないため」と「幸せなひとときを満喫するため」に分かれる
いまある飲食店の食材の仕入商品リストを作成しています。
一番値上がりした食材は、1年前に1個10円だった卵が26円でした。
<今後予測されること>
食材値上げ ➡ メニュー価格の値上げ ➡ 「外食客の細分化」が起こる
➡ ・外食回数を減らす(予算は値上がり分だけ10%~20%ほど上がる)
➡ ・外食予算を抑える(予算は同程度、商品は格落ちになり回数は維持)
➡ ・外食をやめる(飲食店や弁当店、サンド店のテイクアウトを利用)
➡ ・外食をやめる(コンビニ食を利用する)
➡ ・外食をやめる(定期宅配商品を利用する)
➡ ・外食をやめる(家食、家飲みに切り替える)
本当に厳しい飲食店経営の時代が始まる。
何も対策をしなければ、売上減、利益減でつぶされる。
チャレンジこそ生存の道となる。
今までの延長の考えでは、
「食材高騰」×「ニーズの変化」×「売上減少」の時代に
売上や利益を増やすことはできなくなる。
🍍2:餓死させないための低価格料理店の
生残りの基本条件とは?
●単一食材を年間契約
食材を絞り込めば、値上のダメージも軽減できる。
年間契約で値上がりをゆるやかにできる。
可能なら、「鶏豚魚は自社で生産」(永久保証)する
鶏の部位も豚の部位も、まだまだ活かしきれていない「安い食材の元」がある。
高くなった卵でさえも、大きな価値のある食材。
自社でつくる麺類も大きな価値のある食材になる。
たった一つの食材を選ぶなら「自分はこれを選ぶ」が今必要だ。
●自店加工
商品を絞り込めば、すべて自社で完結する。
まずくて高いPB商品は、メニューを減らせば必要がなくなる。
●自店搬送
8時間以内で1周できるエリア内が一番稼げる。
他社依存の配送はコストアップになる。
●「美味しさ」はいただく金額に正比例させる考えを持つ
「美味しさは価格相応」で良い
500円の商品には、500円以上の美味しさを提供する必要があるが、
1,000円の価値の美味しさを提供する必要はない。
(美味しくする分だけ原価率が上がり、スキルアップも必要になる)
●立地が違えば味が変わる(地元の好みを優先する)
全国組織のチェーン店は、県単位程度の子会社の集まりに変えるべき。
すべての人を常連客に変える身近な味を武器にする。
総合的に、
これからは「個人店」や「専門店」が強くなる時代
🍍3:楽しさと安らぎと満足感
幸せなひとときを満喫する飲食店づくり
「外食は高くて当たり前」の時代が来る(もう来ている感もある)
出店に何百万円、何千万円とお金をかけ、従業員に時給1,000円以上のコストをかけ、値上がりする食材を使いながら、日々営業する飲食店。
家食、低価格飲食店食、高価格ご褒美食を使い分けながら進む年。
<珠にでもいいから行きたいお店の条件>
●料理が美味しい(当たりはずれがない)
価格に見合った食材の鮮度と美味しさがあること。
料理のブレは10%以下。
●食材の値上がりを半年に1回だけ反映させる
食品メーカーのように小刻みに値上げする姑息な方法は、飲食店には向かない。一度価格を上げたら、馴染切るまで上げない辛抱が必要。
その代わり、食材への信頼、料理への信頼を損なわないだけの配慮と
保証をするべきです。
●「非日常の特別感」を感じていただく工夫をする
店内の豪華な雰囲気でも、生演奏でも、調理の実演でもいいと思う。
最高の接遇サービスでも良いと思う。
非日常性のアピールをして、最高の満足を与えて、
全員を常連客にするくらいの気持ちで行う。
(これからはもっとハートフルな顧客管理方法も工夫しよう)
どんな専門店でも、
これからは、デジタルメニューを導入してゆく時代です。
臨機応変に変える。
動画でアピールもできる。
今までのやり方では、魅力は褪せるしかない。
(了)
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