食べ塾:飲食店の基本<ABC分析>と<FLRコスト率>活用で繁盛店づくりに取り組もう!
レジのデータ分析機能に、メニュ^のABC分析データがあります。
メニューの変更を行う場合には、
「勘」や「好き嫌い」「思い込み」でなくて、データを基に判断する
ことがとても大切になります。
■ABC分析データで売上高の75%を占める
「重要メニュー」のブラッシュアップを行う!
ことで、売上力が20%以上強化されます!
ABC分析を知らない方も多いと思いますので簡単に説明します。
ポスレジデータの中には、20種類位のデータ取得ができるように
なっています。
ABC分析データとは?
店内メニューの全品を単品の売上高1位~ラストまでを3分類して、
主にメニュー変更時の削除メニューデータとして活用したり、
レイアウトで大きく取り扱う人気メニューにしたりする基本データです。
<3分類>
●Aランクメニュー(売上全体の75%を占める第1群のメニュー)
●Bランクメニュー(売上全体の20%を占める第2群メニュー)
●Cランクメニュー(売上全体の5%を占める第3群のメニュー)
<売上貢献度別・数量貢献度別>
●売上高ABC分析データ~どのメニューがどれだけ売上を作っているか
●数量別ABC分析データ~どのメニューのオーダー数がどれくらいか
1,Aランクメニュー
合計が月間全体の上位75%を占めるメニュー群です。
人気メニューやオーダー数量は少なくても高額のメニューがあります。
<Aランクメニューの活用方法>
①利益率のアップ
このAランクだけを値上げすれば
↓
全体の20%位しか値上げしなくても、
「80%程度の値上げ効果と同等」の効果が見込めます。
(*過去に何度も実証済み)
②簡単な食材原価率の低減
食材原価率の引き下げで全品を調査する時間がとれない場合は、
このAランクメニューだけ詳細に食材原価計算をして、
「原価率を下げる」調整(原価・価格)することで食材原価率が
簡単に最小限度の手間で引き下げができます。
2,Bランクメニュー
Aランクメニューの次によく売れている貢献度のメニュー群で、
全体の20%を占めるメニュー群です。
<Bランクメニューの特徴>
●価格が中途半端に高い
●美味しさに比べて価格が高い
●ボリュームが少ない、物足りない
●夏季中心に売れて冬季中心には売れない
●冬季中心に売れて夏季中心に売れない
●春季と秋季に売れやすい
などの要因のあるメニューが多く含まれます。
<改善する>
味わいの変更、価格の変更、ボリューム変更でAランクメニューに
変わる例も多くあります。
また、
季節メニュ―化して、通年メニューから削除することも効果的売り方です。
3,Cランクメニュー
●Cランクメニューでも「お店に不可欠なイメージアップ商品」は残す
●食材ロスになりやすい、オーダーが出ると手間がかかりすぎる
Cランクメニューは削除する。
レジデータの取得と分析は、今からのより効率的な飲食店経営の
活路を見出す良き武器になると考えております。
■自店の自己診断指標
「FLRコスト率」を計算すると身に染みる!
いつも金が足りないとぼやく前に、
「自店の経費比率が正常」かどうか?
自己診断してみると、あっと驚く発見があるかもしれません。
1,F(フード)コスト率・・・食材原価率のことです。
英語で表現されるのは、数十年前に日本の外食産業がUSAの
フードビジネスを視察研修して取り入れたことが発端になります。
食材原価率は「限りなく30%」に近づける努力をして下さい。
”儲けすぎる”為ではありません。
従業員の雇用を守り、待遇を改善し、労働環境を改善するための
資金源を増やすためです。
そしてお店の改善に役立てるためです。
従業員さんが自信を持って笑顔で料理を作り、
テーブルのお客様に笑顔でお届けできるための好循環のためです。
<フードコスト率の引き下げを行う場合の注意事項>
食材原価率の安全な低下率は、
大幅な食材の高騰がない限りは場合は、「2%ダウン」が一つの目安と思います。
初年度 36%→34%
次年度 34%→32%
3年度 32%→30% (*実際に30%になる為には多くの工夫が必要)
でも3年間で6%は、驚異的な数字です。
年商が1億円でしたら、
3年後には差額が600万円の純利益を生むことになります
2,L(レイバー)コスト率・・・人件費比率のことです
多くのお店が”慣例的給与”になっているところもあると思いますが、
多くの場合「成果型報酬」に切り替わる時代です。
身体も頭脳もよく動く貢献度の高い人に好待遇を与えて、頑張ってもらえる
環境が必要です。
飲食業界も年功序列社会から抜け出さないと生き残れないと思います。
●人件費17%~27%の飲食店
200席を超える超大型店、セルフサービスを取り入れたお店、
従業員1人当たりの生産性が非常に高いお店がこの範囲と思います。
特に問題はありません。
人件費には、給与・賞与・法定福利費・人事募集費などが含まれます。
一般飲食店の場合は、
黒字経営でも人件費比率が27~28%になる場合が多いと思います。
(*賞与が加算されるため)
●人件費28%~32%の飲食店
要するに人件費30%±2%の飲食店は「非常に多い」パターンかと
思います。
・時給の高騰
・交通費支給額の増額
・離反防止のための昇給
・社会保険加入(社員)(パート)
・休日の増加に伴う補充要員の雇用
などの影響もあるかと思います。
●人件費33%~35%の飲食店
この範疇のお店は、
・食材原価率が30%を切り、FLコスト率が65%以内なのでできる
・家賃が不要な店舗
などの条件のある店舗であると思います。
そうでない場合は、万年赤字店の人件費の指標になります。
どこかに無駄な人件費がかかりすぎていたり、売上高が落ちているのに
人件費はそのままのお店に多いパターンです。
いずれにしても見直しが必要と思います。
3,R(レント)比率・・・・売上に対する家賃比率のことです
地代家賃(店舗の家賃・付随する駐車場の契約月額も加算)金額は
一定額ですが、
家賃×10倍の売上に届かないと、家賃比率は高くなり赤字転落
になってしまいます。
逆に家賃比率がゼロ%、6%~8%の場合は毎月貯蓄ができる収支状況に
なっていると思います。
地代家賃の金額は一定でも、「家賃比率は売上で変動する」ことを
わかっておいてください。
4,3つの指標を合計して経営管理指標にする
理想的な目標比率→ 毎月お金が残るあんしん経営・優良経営は、
70%以内です!
(1例)
F率30% + L率30% + R率8% =68% !
フードコストを30%迄縮めても売れる料理作りは知恵が必要です。
人件費比率を30%迄みている懐の広さがあります.。
仕事のできる人は厚遇します、週休完全2日制、8時間労働実施の
ためには、人件費の余裕が必ず必要になります。
家賃がかからない飲食店では、「家賃分の貯金」はどこも
持っていません。(*数値に甘くなっているだけです)
それだけ、売上が低い水準でも赤字でないので、危機感が乏しい
だけです。(*経営感覚に甘さがあるだけ幸せかも知れません)
しっかりと自店の「数値設定を見直し」して経営改革することが、
3か月後、6か月後の新たな黒字店づくりになります。
(了)
飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします