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食材高騰時代の飲食店メニューの切り抜け方を考えてみた

 昨年から今年にかけての鳥インフルの発生で全国で1000万羽の鶏を殺処分した影響で、卵の価格が2倍になり、鶏肉も上がる様相です。

私の予感(予想ではなく、直感的動物的経験から)では、
「2023年度は2022年度よりも諸物価の高騰が激しい」
と見ています。

物価の上昇率は低くなりますが、高止まりの食材がさらに1%、2%、
3%以上上がるのは苦痛ですね。

現状でできる対策は、

■安くて美味しい食材を多用する

 少ない食材で、多くのメニュー開発をする時代です。
また、再値上げがあっても耐えられる原価の低さが必要です。

 私が推奨したい食材は3つ
1,国産鶏むね肉(料理候補を列挙)
 
 鶏ハム、鶏の西京焼き、鶏の燻製、鶏つくね(煮、揚、焼)、とりわさ
 チキンハンバーグ、鶏の塩こうじ焼き、とり天、鶏むね肉の塩唐揚げ
 チキン南蛮、チキンカツ、チキンソテー、チキン竜田揚げ、照焼チキン
 ガーリックチキンソテー、鶏チリ、蒸し鶏、親子丼、とり天丼

 鶏むね肉は、1枚の1/2基準で使用して、100g~150gで済む
 ため、鮮度が良く、冷蔵のものを中心に使用したい。

2,卵(2倍になっても安い食材です)

 だし巻き卵、スパニッシュオムレツ、オムライス、厚焼き玉子、
 茶わん蒸し、洋風茶碗蒸し、卵丼、煮卵、玉子かけごはん

 手打ちうどんのお店で、うどんにたまご丼のミニをつけて
 980円のセットメニューがあったり、

 丼ぶり専門店で、大きな卵丼(こちらでボリューム)+小さなうに丼
(こちらで豪華さ)のセットで、一般的なメニューより少し安く売ったりと
 メニュー作りに一ひねりが必要な時代です。

3,乾麺(ロスが出ない)
 例えばパスタの乾麺は、水に浸しておけば2分程度でゆであがります。

 スパゲティー麺
 うどん麺
 そば麺
 中華麺
 ビーフン(米麺)

 最近は和洋の弁当にスパゲティーが多用されています。
 原価が安く、増量剤やメイン食材の枕に使用されている。

お店のあるあなたの地域で、この食材が豊富にある、安価である食材を
開発してメニュー化しませんか?

例えば、肉でも魚でも、野菜でもいいのです。
それを使って、オリジナル餃子づくりをしてみませんか?
オリジナルパン作り、オリジナルパスタづくり、オリジナル焼きそば
づくりを、遊び心で考えてみましょう。

 

■売価990円以下メニューで原価率33%以下の
 料理で利益を得る

 多くの飲食店にとっては、高級商品をひとつ売るエネルギーよりも、
990円以下のメニューの商品を売る方が効率が良く、売上も利益も得やすい時代になると思います。

ランチやディナーの予算額が抑圧気味の節約志向になりつつある
 昼は990円以下の予算派が増える。
 ワンコイン派の一部は、飲食店利用でなく、格安宅配弁当やコンビニ食に
 転換する。

一部ではサンドイッチ(350円前後)の売れ行きも好調

簡単調理でスピード提供できる料理を優先的に売る。
早く出る料理は、早く食べて完了する傾向にあり、客単価は1,000円未満でも
客席回転率が上がり、売上は伸びる傾向になる。

■価格を上げる要因、手間のかかる要因となる付け合わせやセットの小鉢は極力省くようにする


2枚の写真を見比べてください。
上の写真の方が美味しそうですね。
しかし、下の料理は950円で、上の料理が原価ががかかる分だけ高くなり、
1,050円だとしたら、あなたはどちらを注文されますか?

焼き魚に大葉と大根おろし(大葉も大根おろしもロスと手間がかかる)


シンプルに焼き魚だけ(葉はなくても、代わりに皿に葉の模様があればいい)

これからは、必要に応じて、「必ず必要な食材」以外は、
「売れる売価を保護する」ために、削ぎ落すこともしてゆく時代です。
これがないと、
コストアップ時代の売れるメニュー作りはできないと思います。

トンカツのつけあわせも、定食の小鉢の2個付、3個付もみんなコストと
人件費がかかっています。

かかった分を、まるごとお客様に売価で被せますか?
それができにくくなる時代の入り口に今あなたは立っています。

(了)






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