飲食店の困った!を解決相談所大分5:利益を残す「完全予約店」の仕組みを取り入れよう!
食材が高騰しても、飲食店や食べものを売るお店は、今より高値で売れて
しかも無駄なく効率の良いお店を経営したいものですね。
そのようなお店にできるのが、
完全予約販売店(飲食店・ショップ)
です。
■この完全予約販売が可能なお店の成立条件を
考えてみました
1,食材が常時手元になく「取り寄せになる食材」をメインに使っている
特殊な食材だったり、鮮度一番が要求される食材だったりします。
特に昔のような仕入れ値が動く「時価」の商品の場合は、お客様から
いただく価格も変化しますので、完全予約制で食事代を明示してからの予約でないと利益が出なくなりますし、お客様からクレームを受けます。
2,「仕込みの手間が長時間を要する」料理や食べ物のお店
元の食材は安くても高くても、品質アップや食感アップをするために
多くの手間がかかる料理や食べ物を提供するお店。
仕入れた新鮮食材に手を加えれば、残りの鮮度の期間は短くなります。
今日消費するということでないと、本当はできません。
3,「オーダーから提供までに最低30分(以上)」調理に時間がかかるお店
通常の一般的な飲食店は、オーダーから15分間を目安に料理を提供します。また、15分で提供できるように、すべての仕組みを整えます。
ですから、提供までに30分以上かかるお店の場合は、
完全予約制が最高のサービスになります。
余分にお待たせする必要がありませんから。
4,お客様の希望に沿って商品を組み立てるので、予約でないと受けられない商品を売る飲食店や食べもののお店
メニューが基本的になく、食材があって、お客さまの希望日の希望時間に商品を提供できる仕組みになります。(*後でご紹介します)
■完全予約店は、他店と比較されないから
高価格でもお客様から買ってもらえる
きっと不思議でしょうね。
しかし、完全予約制自体が他店とは違う「超スペシャル」な受注になります。
このお店を利用される方、このお店を1度でも利用する瞬間は、
お客様の心に「スペシャルな幸福感」が芽生えます。
このお店を利用することが、ステイタスになるのです。
だから、高価格でも違和感が生まれません。
逆に安いと、山のようにひとつひとつ違う商品は作れなくて、
お店の方が自爆してしまいます。
■具体例:完全予約生産無店舗ベーカリー店
私の住んでいる大分市には多くのパン屋さんがあります。
そして、多くのお店が毎日10%~20%のパンを廃棄したり、半額販売などの値引き販売で売ることを繰り返しています。
完全予約販売ベーカリーショップは、無店舗でも構いません。
●パンの製造に使える粉のリスト
●調味料のリスト
●パンに混ぜる野菜や肉や魚や加工品のリスト(粉末・固形・ジャム・液状などいろいろ)
これらを準備して、上記の3つの食材群をリスト化して大分類にして、
それぞれのグループ内を売価が同じ小グループにさらに分類して、
最後に〇〇〇円と価格設定をします。
菓子パン、調理パン、食パンなど自分の得意分野で受注すればいいのです。
後は、取りに来ていただける範囲のエリアに自分でポスティングするだけでOKです。
始める最初の時からブログがあって、購入体験者の方の感想が記載されていると、次に検討する方の信頼感が増して売上が増えてゆくと思います。
私が一番先に思いついたのは、食パンとメロンパンとシュークリームです。
➡好みの野菜や海藻類を入れた食パンの2斤タイプ 800円~1500円。
➡メロンパン(ハーフサイズ~5倍サイズ)180円~3000円。
➡中身をいろいろアレンジできるシュークリーム 250円~400円。
アイデア次第で1店舗づつ個性的な商品構成になると思います。
■具体例:特殊な地鶏や牛ホルモンや貝料理のお店
鮮度を要求されたり、特定の種類を特別に仕入れたりする場合は、
完全予約店に変えたほうが、食材の相場対応で原価率管理もできて、
仕入の手間も省けて、人件費も効率よくシフトが組めるお店に変わる
と思います。
無駄を少なくするために、予約以外の1組~2組を取り込みたい場合は、
●メイン料理以外の日持ちする一品料理は常備してお酒のあてにする。
●メイン食材を急速凍結した鮮度の良いものを1組~2組分ストックして
おく。出す場合は、ストックしたものとお断りする。
料理専門店ほど完全予約制に向いた業態です。
■メリットとデメリット
1,お客様のメリット
●待たずに着席できる
●鮮度抜群の料理を食べられる
●提供時間が短くて待たなくてもいい
●手の込んだ希望する料理が好みの形で食べられる(お店による)
*多少の料理のアレンジも受け入れてもらい易い
●売価に安定性がある(変更があれば予約時に伝えてもらえる)
2,お店のメリット
●高価格商品が売りやすい
●中高レベル客層に客層をまとめられる
●時間に追われずに仕込み作業ができる
●当日の適正な仕込み量がわかる
●高級食材であっても廃棄ロスが出にくい
●予約客のスタンバイがスムーズにできる
●仕入価格が動く時価食材でも価格通知でお客様に、予約日の提供価格を
連絡できるので、予想外の不利益が防げる
●スタッフのシフトが無駄なく組める
3,デメリット
●完全予約制ということを知らずに来店されると提供する食材がない
(*上記の単品料理とメイン食材の鮮度維持凍結で良ければ出せる)
経験上は、「ゼロ売上げ」は絶対に避けたい。
●完全予約制の告知の徹底が必要
(*前々日予約、3日前までに予約など日数は伸びている傾向)
●お店によりキャンセル料が発生する(30%~50%~100%)
■予約の当日キャンセルはどう処理?
私の知り合いのお店は、当日の伽㏍セルの場合は、
「〇〇コース6000円×3名」が当日午後にキャンセルされたら、数日以内に
全額お金を持参して払っていただいています。合計18,000円ですね。
そして、お金と引き換えに「次回ご利用にに使える9000円割引券」を
差し上げています。(半額のバックです)
まあ、9,000円以上飲食材に使うという条件での適用です。
予約時に、携帯番号とお名前は聞いていますから、
基本的にすっぽかす人はいないようです。
泣き寝入りキャンセルは、もうできないですね。
料理は無駄になりますし、余分にシフトに入れたPAの人件費も
すべてパーになりますから。以前のように余裕がありませんね。
もし必要性を感じた時は、完全予約制をご検討ください。
当然完全予約制になれば、客席でのサービス力アップは必要となります。
接遇サービスは直接のコストはかかりません。
(了)