小型飲食店の料理コースは「ひとつ」でいいという考え方=飲食店の困ったを解決!相談所大分
12月の飲食店の売上を見ても、地場直結のお店は、決して良い売上ではありません。
ある専門店は日ごろは2~4コースを基準にしていますが、「売上減」を
カバーするために、一挙に2倍のコース提案を出してきました。
これって逆効果じゃない?
というのが、この投稿を出すきっかけになりました。
■専門店のコースのアイテム数は3つが基本
昭和の時代の居酒屋の宴会コースは、どこも押しなべて、
3,000円コース、4,000円コース、5,000円コース の3つでした。
(安い方がOK) (普通がOK) (少し高い方がOK)
8品 10品 11品
(コース設計のコツ)
●中心となる4000円コースを先につくり、少し物足らないが金額が安い
コースが3000円コース、予算もあるので、普通よりちょっと良いコース
にしたものが5000円コース。
●5,000円コースは、4,000円コースと同じに10品だと豪華さが伝わりにくい。
よって、1品だけ多くしておく。
料理の中の1品だけ高額食材を使う。
ほぼ100%のお客様がこの3つのコース価格で間に合っていました。
■コースが4つ以上になった時の注意点
1,コースが増えれば増えるほど決まりにくく「迷路」に入る
お客様は、コース名と簡単なコース内容の説明と金額で、
このコースにしようという決定ができる能力は、せいぜい3~4コース
までです。
それ以上のコースの数があると、メイン食材の違いと、高い金額だけが
目について、かえって、「別のお店にしよう」となりかねません。
2,文字と写真で説明しても「料理の良さ」は伝わりにくい
お客様は「食べる専門家」です。料理コースを「見分ける専門家」では
ありません。
ここでお客様とお店の間に「強い信頼関係」があれば、
「この予算で出せる、この食材を使った料理コースでおまかせします」が、
一番正しい双方のやり方と思います。
日頃の顧客管理ができているかどうかが、決め手になります。
3,「あなたのためだけに」と思っていただけるためには、
文字と写真の定番コースにしてしまってはいけない
お客様から見て、きちんとコース表示された料理コースは、
「既製品」イメージなのです。
もし、できることなら、
●女性だけの組客
●男性だけの組客
●お酒主体の組客
●高齢客の組客
などに、料理構成の配慮が少しでもできたら、
それは「あなたのためだけに」のスペシャルコースに変わるのです。
4,「食べたい」と「金額が高くなる」は、金額がブレーキになる時代
高い食材は「食べたい」と素直に思い、次に「いやいや、それは今でなくてもいい」に変わります。
原因は、無駄使いは罪悪だみたいに少しづつ、節約感が浸透するからです。金額の高さがブレーキの役目をします。
これが外れるのは、「嬉しいこと」を体感したい「晴れの時」です。
それは今すぐでなく、アメリカや、中国や、ロシアの不況がひどくなるにつれて、深まってくると考えています。
■ひとつだけのコースを残す
あなたがいま経営しているお店で、たった一つのコースを残すと
したら、どのコースでしょうか?
このコースを「詳しく、ていねいに、わかりやすく」
写真や文字で、説明することである程度伝わります。
(1コースだけだから)(料理を100%知らない人を基準に表現する)
●お店のコースの特色を知ってもらえる
●コースの「基準の品数」を知ってもらえる
●使用食材の種類と良さを知ってもらえる
●コースの所要時間を知ってもらえる
●「基準のコース金額」を知ってもらえる
これを徹底して知っていただいたうえで、
◎メイン食材の変更(ご予約で変えられる「食材名」のみ掲載)
金額は入れない。ご予約時に説明する。
(高額食材を使っているのに売価を抑える傾向は、売上をとって
利益を減らす考え方であり、お店の弱体化につながる)
時価的に仕入が変わる場合もあるし、売れてもいないのに、
金額の高さだけが先行イメージに変わる。
◎調理&提供方法の変更(調理方法の違い、提供方法の違いのみ掲載)
同じく、金額は入れない。ご予約時に説明する。
金額が同じで良い場合や、鍋仕様のように、別の食材が加わり、
金額が変わる場合がある。
◎品数や分量の変更
女性客で少量で良い、お酒が主体だから、食事的なものは不要など
お客様の構成で異なる。
◎特定客層向けの1~2品のアレンジ(無料、有料あり)
お客様は、希望だけ伝えて、「おまかせした料理」に期待しつつ
料理を堪能します。
店主の方の、ほんの少しの気配りが嬉しい専門店がそこにあります。
私の意図するところが、少しでも伝われば、良いと思います。
焦った時ほど、「焦らない行動」が逆に必要です
(了)