食べ塾:年商目標と月間目標、月変動指数の出し方!お伝えします!
■月間売上目標の立て方の基礎とは?
月々の売上目標は、年商目標と季節変動指数(私は月変動指数という言い方にしています)で計算できます。
(計算の順序)
●目標とする新しい年商を決める
↓
●(新しい年商目標の)平均月商値を計算する
↓
●自店の過去データ(2~3年分)から各月ごとの平均実績月商値を計算する
↓
●過去の平均月商額12か月分の合計(年商分)を出し12か月で割って
その過去データの平均月商額を出す
↓
●1~12月までの各月過去データ上の平均月商額÷過去データ上の平均月商額
×100%=月変動指数 (この計算で出ます)
↓
●新しい年商の平均月商値×1~12月の月変動値=各月の新目標月商
となります。
1,季節変動指数(月変動指数)とは?
飲食業を初めて体験する人は、月商100万円のお店は、
「毎月100万円」売る目標で経営されると思います。
でも、実際は月々の持つ要因によって、売上が85万円になったり、
110万円になったりします。(繁忙月と非繁忙月があります)
<一般的な分け方>
●繁忙月・・・1月、3月、4月、5月、7月、8月、12月
●非繁忙月・・2月、6月、9月、10月、11月
<月変動値データの作成資料>
●3年以上経過したお店・・・自店の売上実績からピックアップ
(*開業から3か月間は外す→開業特需売り上げを含むため)
●開業から2年目のお店・・・開業初年度の売り上げデータを利用する
●開業年のお店・・・・一般的月変動率を借りて計算する、
次年度に正規の形に変更する
飲食店経営が2年目の時で、昨年の開店月を過ぎたあたりの通常売上月の
12か月間の売上高(=年商金額)を12か月で割ると、
平均月商が出ます。
平均月商高=年商目標高(1年間の売上実績高)÷12か月
この「平均月商高」で各月の売上実績を割ると季節変動指数が出ます。
(*通常年の過去2年間分または3年分の各月の平均月商値を
新たな年商目標の平均月商値で割り、100%をかけると
月変動指数が出ます)
■月変動率(一般的指標)を参考に出しておきます
●下記の変動指数は、<立地・業態・客層など>で大きく異なります。
年商1200万円、平均月商100万円の時、
・1月 売上実績100万円÷平均月商100万円×100%=100%
(*1月の季節変動値は「100%」で平均月商が売れる月です)
・2月 〃 85万円÷100万円×100%=85%
(*平均月商の85%しか売れない月・・・非繁忙月)
・3月 〃 105万円÷100万円×100%=105%
(*平均月商の105%売れる月・・・繁忙月=儲かる月)
・4月 〃 98万円÷100万円×100%=98%
(*98%売れる月で、少し足りないが大きな赤字にはならない月)
・5月 〃 98万円÷100万円×100%=98%
(*GW期間の街中店は雨天で繁忙、晴天で閑散。郊外はその逆)
・6月 〃 95万円÷100万円×100%=95%
(梅雨入りの6月7日くらいから1週間が良くない、非繁忙月)
・7月 〃 105万円÷100万円×100%=105%
(梅雨明け迄良くないが、夏休み入りで急上昇、繁忙月)
・8月 〃 120万円÷100万円×100%=120%
(*繁忙月です、8月の一般季節変動指数が120%なので、
8月実績×10倍=年商額 と即計算できると言われています)
(*最近は、お盆の売上の集中する山も、12月の忘年会の
集中する山もなだらかになって、8月らしさは漸減しています)
・9月 〃 95万円÷100万円×100%=95%
(*非繁忙月です、暦では秋、体感は夏という売りにくい月です)
・10月 〃 90万円÷100万円×100%=90%
(*前の月も、後の月も非繁忙月という、非繁忙月です)
(*秋の行楽客が取り込める立地では、10月、11月が繁忙月)
・11月 〃 93万円÷100万円×100%=93%
(11月半ばからは、忘年会が始まる季節です?非繁忙月です)
・12月 〃 116万円÷100万円×100%=116%
(*この116%は街中店の忘年会がある年の指標です。
令和2年12月は、どちらかというと85%の非繁忙月でした)
毎月一律の月商目標設定ということは理にかなっていません。
この「平均月商値×季節変動指数」がその月の最高売上と思って、
特に、レイバーコスト(人件費)コントロールをして下さい。
<売上アップ・利益額アップに有効な対策>
1,メニュー変更
売価の変更、食材原価率の変更、メニューアイテムの追加と削除
2,デリバリー売上の強化
今からもっと増えます、また夜間の来店が漸減してきます
3,スタッフの少数精鋭化
限られた人件費を有効に生かすためには、より多くの人を
雇わないで済む経営に切り替えて教育をするべきです
4,新料理部門デビュー
新部門を生む力は発展成長する力です
5,新メニューのデビュー
新メニューを生む力は常時情報のストックをしておくことと、
トレンドを知る感性がないとなかなかヒットしません
新メニューはどのお店のお客様も大きな期待を持っています
以上のように考えています。
(了)
飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします