たべ塾:メニュー名の表現マジック?を知ったうえで上手に生かそう!
飲食店の価値や良さはすべて経営者や店舗を預かる店長さんたちのモラルで決まります。
かっては産地偽装や、輸入品の食材を国産と偽ったり、地鶏でないものを地鶏と言ったり多くの不正表示がありました。
かってほどは無いにしても注意してみると、「良い方に誤解しやすい」表示があったりします。
大手の飲食企業を先頭に不正表示駆逐されつつあります。お客様を騙す行為はお店を潰す元になるので、当然するべきことではありません。
以下にいくつかの例を挙げてみますので、思い当たる例がないか見てください。
■熊本産馬刺しと熊本直送馬刺し
一見どちらも「熊本で馬を加工して作った馬刺し」です。
熊本産馬刺し
熊本県の阿蘇地方などで放牧されて育った国産の馬から加工した馬刺し。
熊本直送馬刺し
ウソの表示ではありません。でも国産、熊本産の馬刺しという保証はない場合が多いのです。例えば、カナダ産とか、熊本以外から仕入れた県外産とか
色々なケースがあります。
■地鶏と地鶏焼
地鶏は本来、明治時代までに在来の鶏を親として掛け合わせて生まれており、「在来種由来の国産銘柄鶏」として約60種類が登録されています。
大まかには古来からの地鶏と最近の欠け合わせ地鶏が混在していると思ってください。
この〇〇地鶏をただの白色レグホン系の様な鶏に「与えるエサに特色を持たせて意識的に作り込んだ銘柄鶏(単に一般との差別化を行う為のネーミング行為)をさも地鶏風に表示することも厳密にはすり替え行為になります。
これは鶏や豚によくある銘柄づくりです。お茶を与えたり、さつま芋を与えたりお米を与えたり、梅を与えたり皆さんが知恵を絞って立派な生産物を作っています。
地鶏と書けば本当に地鶏を使っています。(偽表示でない限り)
ですが、地鶏焼き=地鶏を焼いているもの と直球で受取り理解するのは早計です。
地鶏を焼いたものに似せた一般鶏の焼物、正確には地鶏焼き風 という意味で「商品名」としてのせる場合があります。
地鶏焼き、地鶏鍋、地鶏丼などもあいまい表示が考えられます。
■黒毛和牛と黒牛
鹿児島産黒毛和牛も最近「鹿児島県産黒牛」と銘打って販促しています。
一方で、アメリカ産のブラックアンガス種(アメリカの黒毛牛)も味がいいということで多く使われていますが、これはUS産黒牛表示を焼肉店さんなどで使っていました。
日本の黒毛和牛を生きたままオーストラリアに連れてゆき、そこで生まれた牛を増産して日本に輸出する際に、「オーストラリア産黒毛和牛」とさすがに言えないということで、これも一時はオーストラリアン産黒牛と言っていました。
食べてみて疑問に思う時、黒毛和牛にしては価格が安すぎると思う時は、お店のスタッフにしっかり聞いて疑問を解決してください。
*私の情報の不備が一部ある場合もあります。
■国産牛の範囲
国産牛とは、国内で生育された和牛、ホルスタイン、両方を掛け合わせた交雑牛の3種類です。*生牛の場合は、国内での生育が一番長いことが条件です。
通常焼肉店などでは和牛は、「黒毛和牛」、「和牛」と表示されます。
ホルスタイン(乳牛)と交雑牛は「国産牛」と表示されたり、
輸入赤身肉もメニューにある場合は、和牛も含めて「国産牛」としてまとめたりしています。
会社により、お店により細かい表示方法・表現方法は異なります。
■「〇〇風」は、「○○ではない」ということです!
お分かりと思いますが、本物だったらこんな価格で食べれないけど、
似せてコストの安い食材で近い料理にしたからね!というのが、
〇〇風です。
まあ、食べて価格相応でしたら何の問題もありません。
本日はほんの一部のメニュー作りの裏話でした。
メニュー作りの上手な飲食店は同業他社より売上が20%~30%良いと思います。 (*しかし不当表示・不正表示は厳禁です)
なぜかというと、「お客様の心理を考えたメニューの作り方を徹底しており」ハートをワシ掴みしているからです。
(了)