飲食店未来学93:断崖絶壁で立ち往生した飲食店が生き残る3つの方法
インバウンド需要の恩恵がない飲食店は、今まさに断崖絶壁に立たされた状態と同じ。なすすべもなく、諦め、閉店するしかないと追い込まれる。
しかし、ここで最後の一手が打てないものかと、良い意味で諦めの悪い人はまだ何とか生存の道が開けると考えます。その代わり、新たな道を選べば、大きく世界が変わります。大半を捨て去ることにもなりますから、それなりに覚悟が必要です。
しかし形が完成して動き出せば、今までよりずっとはるかに「楽」なはず。
赤字店は売上増より現状の売上高で採算をとることを優先する
落ちた売上高を引き上げるのは、多くのコストと時間を要します。それよりも、赤字経営でもいま手に入る売上高で採算をとり、少しでも純利益を生む仕組みに変える方が前向きのやり方です。
<利益が出ない重い原因>
●食材原価率が高い(F)
●人件費比率が高い(L)
●家賃比率が高い(R)
これらを、今までと今からで、180度変化させなければなりません。
方法1:食材原価率が低い商売に切り替える
飲食店としての「業種」(売る料理)の変更です。一定レベルの需要が見込まれ、将来性があり、新メニューを生み育てる力があれば、何も恐れるものはありません。
<コツ>
1,原価率が低い業種(36%~32%の範囲)を選ぶ
2,経営者の力量に合った少なめのメニュー数から始める
3,よく知られた料理でも他店と差別化できる要素を盛り込む
4,開業から1年間は3%~5%原価が上がっても、利益づくりより店づくりに取り組む
5,お客さまを裏切らない
向う10年間、20年間とあと100年間は食材の値上がりが進む。ずっと先では、本物の食品は金持ちが食べ、貧乏人は加工されたダミー食品を食べる時代になる。原因は、人口が増えて需要増となり、地球温暖化がもっと深刻になり野菜や動物が育たなくなり供給減となるからです。
方法2:ワンオペ基本経営+パート採用にする
飲食店の粗利益の半分(以上)は人件費です。固定経費のNO,1も人件費です。社員も長時間パートも不要なしくみに変えましょう。
<一例>
1,飲食店を揚物弁当惣菜店に変える
店舗の半分のスペースは販売コーナーに変える。残りのスペースはイートインの客席で残す。(2以降も同じ)
2,おでん専門店に変える
3,餃子専門店に変える
4,焼鳥専門店に変える
5,カレー専門店に変える
いずれの業種も、労働時間の半分が仕込み、もう半分が調理と販売時間。
仕込んだ分を完売すれば、当日はクローズします。(食材ロス、人件費ロスを出さない)
方法3:家賃比率は確実に減らせる
家賃比率は、実行する気があれば確実に減らせます。その前に、なぜ家賃が重いのか数字で示します。
(昨年)月商100万円、家賃10万円(家賃比率10%)
(今年)月商80万円、家賃10万円(家賃比率12.5%)
このわずか2.5%のアップが重いのです。
<対策>
1,営業時間外をタイムレンタル<時間貸し>する
月間の家賃は一定ですが、昼業態のお店は深夜~早朝は営業していません。反対に、夜業態のお店は、昼間の営業はしていません。この未活用の時間帯をレンタルで開放することにより、家賃収入と光熱費の一部負担があり、相対的に家賃負担比率を下げる効果があります。
2,飲食店と違う業態を1/2店舗で開業する
●人と人が合う場所、会話して楽しむ場所。
●リサイクル品の展示販売。
●何でもレンタルスペース。(販売会社、趣味の会、画廊的使い方など)
この先、飲食店の売上を上げる努力をするよりも、もっと地域住民の生活に寄与する場所に貢献出来たら、半分の飲食店でも集客効果で売上が伸び、総合的に店売上(原価込)とレンタル収入(原価なし)が手には売るので、家賃比率は下がる方向になる。
ある意味、飲食商売はゴキブリ産業です。何があろうと絶滅することなく常に繁栄拡大を続けるのです。
あきらめずに、もう一回だけ楽しみませんか!
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