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飲食店未来学102:女性より怖い飲食店の開業④~自分の店だから好きにできる

開業そのものは本来自由にできる

初めて飲食店開業する方の半数以上の方が、「自分の店を開業するのだから好きなようにつくっても大丈夫」と自分に言い聞かせます。確かに、開業そのものは、自分のお金でお店をつくる訳ですからまったく自由にできます。

開業後に黒字経営を望むなら話は違ってくる

飲食店を開業すれば外食するお客さまが来店します。採算上1日に50人の来店が必要なお店は、やはり50人以上くるように店内の態勢を整えなければなりません。

経営者が好き勝手につくったメニューやしくみのお店を全部「この通りでいいよ」と言ってくれるお客さまが、1日に50人来てくれるかどうか。ここが問題です。双方のニーズの一致(できれば完全一致)がないと、この開業店は赤字経営のままになります。

飲食の既存店でも、コロナ禍前のスタイルのまま営業しているお店は大半が業績悪化したままです。だったら、ここでメニューの大幅変更やしくみの大幅変更をして、今の外食客のニーズに応えられる飲食店に生まれ変わらなくてはなりません。面倒で大変なことも一時的にはありますが、それを乗り越えないと再び繁盛店にはなれないと思います。コロナ禍期の4年弱で外食環境が大きく変わりました。

お客さまのニーズを知っているか、取り込むしくみをつくっているか


繁盛するためには、新規店も既存店も、繁盛するニーズを踏まえたしくみのお店に変るべきです。

本物の料理(お店の自信作)を提供する
小さいお店ほど手づくり感が大切
売価の高低や接遇サービスのレベルは提供商品の商品力のレベルに連動させる(高額商品は高い品質の料理と高い接遇サービスで提供する)(安く売る商品は、安くても本物の食材を使い、手づくり感やオリジナリティーのある商品に仕上げて、価格に見合ったシンプルな接遇サービスを行う)
必要以上の開業費用は投資しない
食材の種類は制限なく増やさない(できるだけ少なくする)
人件費は人しかできないところに重点配備する(時給2000円)
すべてを省力化、省人化したしくみに変えて、ローコスト経営を意識する
(主な点は2つ~そのお店が売れる限度の食材原価率、人件費率)

黒字店になる方法を学ばないお店は赤字のままになる

令和6年の終わりに、飲食店研究者として言えることはこのことです。従来型の経営では、売上高の10%の利益も出ません。むしろ年商自体が地盤沈下したうえに、食材費や人件費が高騰していますから、大きく自らが新たな利益体質にならないと黒字化は望めません。これは、既存店も新規店も同じことです。

さらに詳しくお知りになりたい方は、最新刊のこの本をご一読下さい。
Amazonキンドル本(オードリー7=宇津宮正博著)

 この本は飲食店専門コンサルタントとして35年間の飲食店の実務支援を行った経験と知恵が満載。
特に開業予算を少なくしたい、開業を間違いなく成功させたいという個人の開業者を対象にした記載をしています。
 本文の説明と別個に、役に立つコツや提案、チェックポイントなどを各処に織り込んでいます。初めて開業をする方にとって本当に役立つ実務ベースの総合開業本の内容です。(すべて現場スタッフと仕事をして得た知恵を核に記載)

はじめに
第1章 開業成功の条件
第2章 店舗コンセプトを決める
第3章 創業計画書の書き方
第4章 開業スケジュールを作成する
第5章 資金調達のコツ
第6章 店舗を選ぶコツ
第7章 内装工事業者を選ぶ
第8章 厨房設備業者を選ぶ
第9章 その他の業者の種類と選び方
第10章 開業メニュー制作
第11章 従業員採用とハウスルール
第12章 開業前チェックをしよう
参考資料 料理の原価計算ノコツ
おわりに変えて
著者プロフィール

詳しくは、「試し読みページ」をご覧ください。各章の詳細項目をご覧いただけます。

現在の飲食企業も、1店舗しかない個人飲食店も、乗り越えるべき課題はまったく同じです。大企業の飲食チェーンだから失敗しないということはまったくありません。むしろ、大規模飲食チェーンだからこそ「この現状規模と売上高を維持しよう」という邪念を捨てない限り、ベストの手段にたどり着くことはないと思う次第です。

(了)

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オードリー7|🥕フードビジネスクリエイター
飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします