食べ塾:「適正価格」を見つけるヒントできるだけ詳しくお教えします!
令和の時代は、「飲食業復活の時代」「一大発展の時代」です。
時代ごとにお客様の求める「値ごろ感」(お得感、お値打ち感)は
違います。
自店の売上を引き上げるためには、
●自店の商品力
●自店の接客サービス力
●店舗の魅力、居心地、立地特性のメリット
などからくる「適正価格」のつけ方がよりいっそう大切な時代になって
きたと思う訳です。
<お店で違うリーズナブルプライス>
●高価格をつけると「その金銭を支払えるお客様限定店」になる
①オーダーする客層・客数が限られる~限定数で売切りにすると
ロスもリスクも最小限度になります。
②「安さだけが売り」ではない、個性的料理もあるという、引き締め効果
とお店の印象付けが演出できます。
③客層間のバッティングがほとんど起きません。(同一客層帯のお客様)
●中価格をつけると「一番客層が広がります」「一般利用主体」です
①適度にお値打ち感があり、適度に利益性もあり、飲食店全体の3/4を
占める価格ゾーンのお店になります。
②具体的な価格帯としては一般店で、480円~880円あたりが
設定価格ゾーンと思います。
●ランチセットの売れ筋の価格帯が税込990円以下
1000円超えのセットでも、おおむね1500円以下が人気の価格です。
●ディナーは、ランチの平均客単価の110%~120%というお店も
あれば、200%の客単価、300%の客単価というお店も
存在足ます。
③ここのゾーンの商品群の「値ごろ感」が、リピート力の強弱に直結
していると思います。
④希望する価格帯の高い層も、低い層もたまにはこのお店にきますので、
各客層間のバッティング(競合)が起こります。
騒がしいとか、子供が走り回るとか、トイレが汚いとかのクレームが
発生して管理面での強化が必要とされます。
●低価格をつけると若年層と低予算客層のファミリーが利用します
①低い価格で、とっつきやすさと、安心感、おてがる感があります。
②一般店でいえば、280円~480円の価格ゾーンです。
③100円高く取りたい場合は分量を少し多め、50円安くてもいい
場合は、分量を少し少なめに設定します。
④特に食べ放題業態野コースでは、多量の注文と多量の食べ残し、
さらに、無断での料理のお持ち帰りなども発生しています。
「下げ過ぎ低価格コース」は客層の荒れを招く場合があります。
<値ごろを決める3大要素>
●食材がもつ価格イメージ → この高級食材がこの価格!
●これだけのボリューム → すごい!
●相場価格より安く感じる価格→ とってもお得!
(*使う食器や盛りつけ方法、使用分量の調整で十分可能です)
■値ごろ決定要因1:食材価格イメージ
たまにこんな価格設定をしたメニューを見かけます。
・肉野菜炒め定食 700円 ・・・①
・とんかつ定食 700円 ・・・②
・焼肉定食 700円 ・・・③
・ハンバーグ定食 700円 ・・・④
何か違和感を感じませんか?
違和感があるとすれば、「使用する食材の価格感が違う」のに、
売価が同じであれば、損する料理と、得する料理があると気づきます。
お店の人に聞くと「計算しやすいから」と言われました。(w)
(一般的には、組み立てなおすと)
・焼肉定食 700円 ・・・③ → 880円
・ハンバーグ定食 700円 ・・・④ → 850円
・とんかつ定食 700円 ・・・② → 850円
・肉野菜炒め定食 700円 ・・・① → 780円
せめて、こんな感じではないでしょうか?
それぞれの食材の持つ食材価格感に合った「価格差」があってこそ
値ごろ感のある価格設定の基礎ができることになります。
<男性よりクチコミ力の強い女性を意識した価格設定がベスト>
男性は自分の期待感と将来性を想像した価格づけに強いので、
不動産や株、骨董品に強いと思います。(鑑定団では失敗も多い!)
女性は、家庭まわりの生活価格決定に強い!
飲食店は、食事・食材の取扱い業種なので、
「女性重視の価格設定」をすれば、やり損うことはありません。
■値ごろ決定要因2:利用動機は<利用時間帯>と <誰と一緒に行くか?>の2つで決まります!
1,利用時間帯により価格設定のイメージが大きく異なります
①朝の時間帯 (10円の差が明暗を分ける)
モーニングセット A店 390円 B店 400円
たった「10円の差」ですがほぼ同じなら、どちらのお店に
ゆきますか?
6:00~9:30の時間帯は店舗前の通過客数が多いほど、
モーニングの営業には有効です。
朝のメニューは、「10円刻みの価格設定」が成功につながります。
今までにない価格づけでも「OK」の時代です、7・8・9で!
②昼の時間帯 (100円の差が明暗を分けると教えられています)
50円、00円という「5・0価格」は価格づけに個性無しと
理解してください。
メニューを見るお客様には、
「もっとお手軽価格にしたいけど、ここがギリギリです」
という
誠意のあるぎりぎり価格と感じられる価格づけが最も大切です。
(*いうなれば、あまり見かけない十円の位が半端な価格です)
例えば、日替わりランチ890円税込って努力価格と思いませんか?
原価率上では、920円~940円したいけど、我慢しました!的な。
ランチメニューでの価格設定は、「100円単位で客層が分かれる」と
いわれています。
③夜の時間帯 (1000円の差が明暗を分けると教えられています)
そのお店のQSCAのレベル差があるので、一概には言えませんが、
ライバル店が7000円コースで売っていると、対抗馬として、
1品減らして、分量も調整して、6000円コースを打ち出したく
なるのが、飲食企業の常です。
抜かれたら抜き返すことを繰り返して、飲食業界は進化してきました。
料理と客層イメージ、その客層の80%の方が「この価格なら」という
価格設定をひとつひとつ丁寧に設定することが大切です。
ディナー価格の設定では、
「1000円単位の価格設定の差」が客層を分けます。
3000円のお店、4000円のお店、5000円のお店と
料理も、客層も大きく変わります。
2,誰と一緒に行くかで「その日の予算と価格感」が変わります!
①家族と行く (総額を一人で払うのでややお手頃感がある方がいい)
よく、焼肉店や回転すし店でも、使い分けしていませんか?
1ファミリーで6、000円~8、000円グループと12,000円
超えグループに分かれます。
②会社の同僚や友人と行く(割り勘で支払う場合が多いので利用しやすい)
1人で3,500円~4,500円。5,000えんと超えると
少し敬遠されます。利用回数が多い人ほど1回利用価格は低い。
③大切な人と行く (何せスペシャルゲストですから特別予算です)
恋人と、奥さんや娘さんの誕生日で、お世話になった人のお礼に。
お店のステイタスが、大切になります。
■値ごろ決定要因3:食器の使い方で価格は変わる
よく飲食店では、食器は割れ物だから、安いの越したことはないと
言われます。
過去に、食器を販売するセールスマンをしていた私にとっては、
食器こそ上手に使っていただければ、しっかり「原価率を稼げる」のに!
と思う次第です。
1,高い食材も安い食器に盛れば、安く見えて売れない商品になる
飲食店だからこそ、
「料理と食器のコラボレーション」は非常に大切です。
2,高い食材は、見合ったレベルの食器に盛ると存在感を増します
1000円の料理を盛る器は、買値で2.5倍~3倍の価格の
食器を使ってください。(*但し高級食器はすべて手洗いです)
*高い食材を数多く売る場合は、
使う食器を85%~90%の大きさのものに変更して、
分量をその器に合わせて少なくしてください。
仮に原価で50円分少なくできれば、売価は3倍の150円ほど
下げても、同じ原価率33%で、利益率も67%を維持できます。
ここが、一番ミソです!
3,安い食材を多過ぎず、少なすぎず高級食器に盛ると、20%以上高く
価格づけしても、違和感がありません。
実際に季節メニューとかで、実験してみてください。
但し、写真撮りとかで効果を出す場合は、
①自店のテーブルの色に映える食器の色合い
(*黒いテーブルに黒の食器は映えない)
なおかつ
②中の料理が引き立つ色の食器の色合い
(*赤い料理に赤の食器は料理を殺す)
であることが求められます。
最終的に仕上げる前に、
「自店のお客様目線」で決めた価格を
最終チェックする!
これがとっても大事なダメ押しです!
少しでも参考になりましたら幸いです!
(了)