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食べ塾64:飲食店が「春」から行う生き残るための3つの手段 お伝えします!

  世の中もやっと、ウィズコロナに切り替わり、インフルエンザ化してゆく過程で、年末にかけて新型コロナの終焉も見えてくると思います。
飲食店さんは、第1波(20年2月末)~第6波(22年2月)まで、本当によく耐えてきたと思います。

今後は、業績回復の準備と戦いが始まります。
飲食店の経営は、経営者の一存で店の生き死にが決まります。
負けたくないという気持ちが強くないと、押されて潰れます。

■克服すべき課題は2つ
 人材確保とコストアップ対策です!

人材確保
  コロナ禍の2年間で社員やPAの方を解雇せざるを得なくなり、通常の戦力の50%~70%しか確保できていません。
仮に2~3か月で80%~90%回復すると、もう10%~40%の戦力の不足になってしまいます。

コストアップ
  店舗が仕入れる食材は2%~15%の値上がりが多くあります。
多量に使用する食材は、平均5%~7%と見たほうが良いと思います。
この食材コストの上昇分を価格転嫁する為には、「メニュー売価の引上げ」が必要です。
しかも、
「今迄の値上げコストの吸収」+「今から6か月分くらいの値上げ見込み分の吸収」の2つを実施しないと、19年度よりも低い利益率になります。


■経営者の仕事1:人材確保

  昨今の飲食業界では、基本的に「雇用信用」がありません。
またコロナが流行すると解雇されるかも・・・という思いが根強くあると
考えたほうが良いと思います。

●自分のお店に応募に来てくれたことに感謝する
  
昭和や平成の時代のように、お店が決めた仕事を報酬と引き換えにして「するか、しないか」という踏み絵の面接を行えば、100人全員NOです!

この人に向いた職場がお店内にないかを探してみる配慮が必要
  基本的に即戦力人間はいません。もしいたとすれば、一度注意すると
さっさと辞めてしまいます。また次を探せばいいのですから。

  ★店全体に馴染む
  ★人間関係に馴染む
  ★担当部署の仕事に馴染む
それでやっと、その人の70%~80%の力が発揮できます。
最初の1~2か月は50%しか発揮できないと理解すべきです。

即戦力採用者より、店内で育てた人材の方が貴重です
  能力のあり過ぎる人は自分の能力におぼれます。能力がほどほどの人は
他人から受ける優しさが身に染みてわかっています。 
どちらが、長期に渡って貢献してくれるかもうわかりますね。
私も長い期間の経験から学びました。

2年前の人数の80%を100と考えた人数で、
獲得できる最大売上と最大利益を生み出す仕組みを作りましょう

   今はっきり言えることは、
「コロナ前と同じ仕組みに同じ人数を投入したら、人件費過多で
赤字間違いなし」
になるということです。

しかも2年前より、給与や待遇をアップしないと募集効果は上がりません。
人数を20%減して、人件費も20%減したうえで、

5%~10%分をひとでの代わりになる省力化機器の導入費用料に当てる
 
リース契約料や購入費用など

残りの5%~10%分を
●調理や接客サービスのスキルアップ研修費に使う
人事募集時の給与や時給アップ、待遇改善の費用に充てる


経営者の仕事2:商品力アップ

  これは値上げを前提に考えた「商品力チェック」→「商品力強化」
行いましょうということです。
今までの自店の商品を何の変更もなく、価格だけ引き上げるという
「安直な値上げ手段」を取ると、売上不振と来店客の減少を起こすことが
予測されます。

売れる商品だけ残す
この商品は何が魅力かを自ら見定めて、その魅力を温存強化して、
 それ以外のなくてもよい小さな食材や手間がかかることは省く

*この場合にはメイン料理ごとの判断が必要です。

●そして、部分的に見直しした新たな商品が、
「最大買値がいくらに見えるか?」を消費者目線で予測して、売価付け
 することが、値上げ成功の秘訣です

原価計算や様々な吟味が必要なために、時間も手間もかかります。
でもこれを端折ってしまうと、消費者からそっぽを向かれます。


■経営者の仕事3:メニュー価格の引上げ成功

計算と吟味をし尽くしたら、ほぼこれで80%はうまくゆけるなという予感が生まれます。また予感と自信が生まれるくらいに吟味し尽くすべきです。

先ほど述べましたように
「過去の値上がり分コスト+これから6か月先までのコストアップ予測額」
までを計算して、今回の値上げ率を計算すると良いと思います。

①1年前の月商100万円売る場合の食材費を計算する
②今年度の月商100万円売る場合の食材費を計算する
③ ②÷①×100%=過去1年間の食材平均値上がり率 がわかります。

過去1年間の値上がり率実数値%
+未来6か月分を見立てた値上がり上乗せ分の2%
=今回の「値上げ実施率」  と考えると良いと思います。

さらに、今後のメニュー売価の引上げに際しては、
従業員の時給や給与アップ、待遇改善に使う費用も加味していただく
世の中に替わると考えていただきたいと思います。

向こう2~3年の辛口消費時代の到来も
予測されます

  日常の普段は無駄なお金は使わない、だけど必要な時は必要なお金を
使うという「メリハリ消費時代」になるかと思います。

自店がどの客層を相手に商売しているかによって、
同じ商品でも、安く売ったり、高く売ったり価格を変えるべきと思います


当然に、
高く売る場合は、商品以外の無形の付加価値サービスをセットにすべきと
思います。

安全策をとった値上げにする場合は、
 Aランクメニュー商品だけを値上げアクション対象商品にしてください。
 値上げしないメニュー数が全体数の60%~70%残りますので
 顧客の安心感がかなり温存されます。
 *コメント歓迎、質問歓迎!


大変なことでも、いったん決心して喰らいつけば、あとは時間があれば
何とか前に進みます。
すべきことから逃げずに、儲かる店を手に入れるために頑張りましょう!

(了)


飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします