思えばすべて、ラブレターだった。
前回noteに書いた記事がたくさんの人に読まれてから、「次になにを書こうか」ということばかり考えていた。
あまりにも考えすぎて、書いて消すという動作を何度もくり返した。それをする度に、必ず直面するのが「わたしはなにを書きたいんだろうか」という問題だった。
今さっき、その人のことをすごく大切に考えるあまりに、心配しすぎるおせっかいおばさんみたいなメッセージを送ってしまった。ちょっと鬱陶しさを与えてしまったかもしれないとおもったけれど、たかが1、2行程度の文章を送るのにおよそ10分も悩み抜いた末に選んだのがそのことばだったので、許してほしかった。
きっと「ほんとうに伝えたいこと」って、こういうもののことなんだろうな、とおもった。
大好きなエッセイストの松浦弥太郎さんがご自身の本のなかで、こう述べていた。
「大切な人を思い浮かべて手紙を書くように。大好きな人にラブレターを書くように。文章を書く際、心がけていることは何かと聞かれた時、僕はいつもこう答えている。」(「伝わるちから」冒頭より)
今、この意味がとてもよく理解できる。
その人に伝えたいとおもうことを、その人に伝わるように書く。思えば、今までに納得のいった文章はどれも、そんな想いで書いたものばかりだった。
すきなものへのラブレター。
日常へのラブレター。
世界へのラブレター。
大切な人へのラブレター。
自分へのラブレター。
「好き」とかいわなくても、すべてのことばは愛から生まれていた。なにかを変えたいとか、なにかの見返りがほしいとか、そんなつもりで書くんじゃない。
「愛を伝えたい」とおもったとき、役に立つのはラブレターである。
それは、文章を書くとっておきのタイミングなのかもしれない。
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