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#体験記
息子が急性散在性脳脊髄炎になって倒れた話25
『麻痺が残るかもしれない』
この言葉にショックを受けなかったとは正直言えない。
けれど、目が覚めなかった頃に感じていた不安に比べれば、目標が明確に思えた。
幸い会話に問題は無く、食事も取れるようになってきている。
顔面への麻痺は感じられなかったし、排泄も、ベッドの上ではあったが、オムツでは無く自分のタイミングできちんと出来ていた。
もちろん本人からすれば、今まで出来たことが突然できなくな
息子が急性散在性脳脊髄炎になって倒れた話24
病棟に入ると、ナースステーションからほど近い個室を案内された。
そこにはベビーベッドを大きくしたような、柵で囲われた金属製のベッドに入った長男が居た。
ひどく不安気な長男の様子に、あえて明るく声をかける。
「長男!ママきたよ!長男がいっぱい頑張って元気になってきたから、今日から一般病棟に来られたんだって。やったねぇ!」
私の顔を見ると、ホッとしたのか仏頂面がみるみる泣き顔に変わっていった。
息子が急性散在性脳脊髄炎になって倒れた話23
長男が倒れて10日目の朝。
突然電話が鳴った。
長男の入院している病院からだった。
胸が痛いと思うほどの鼓動を感じながら、急いで電話に出る。
『おはようございます。
昨日からの様子を見て、問題無さそうでしたので、本日一般病棟に移ることになりました。
お立ち会い頂きたいのですが、よろしいでしょうか?』
長男の体調になにかあったのかと思い電話に出た為、真逆の内容に頭がうまく働かなかった。