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世界幻想見聞録(3)~邪悪なるものたち~ 【SS】【 140字小説】【オムニバス】
【はじめに】
これはオリジナル短編小説です。創作1000ピース 第72作品目。
X(Twitter)に毎日投稿している140字小説を複数編まとめたものをnoteにも投稿していきます。
<企画の趣旨について>
Xの毎日投稿(毎朝7時台更新)の方もよろしくお願いいたします。
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各140字小説の区切りがわかるように、引用表示でお送りします。140字×2で280文字小説になっているものもあります。
悪魔使いは困っている人間を放ってはおけない。
「悪魔の力で願いを叶えてあげよう」と甘い言葉で誘う。
復讐はお手の物。人の心を操ることもできる。
だが、ひとつ悪魔の力で願いを叶えれば、大事なものをひとつ差し出さなければならない。
迂闊に悪魔使いと血の契約を結んではならない。
悪魔使いはその名の通り、悪魔を使役する者だ。悪魔の階級によって悪魔使いの素質を推し量ることができる。
両者の間には主従関係とは異なる絆がある。悪魔も主人なくしては獲物にありつけないからだ。
悪魔使いもまた、餌食になる人間同様に代償を伴うのだが、ところで悪魔使いは人間なのだろうか?
上級悪魔を従えた悪魔使い。いかにも邪な輩を重用した王がいた。
ジャマな人間を追放。世論を操作。戦争を引き起こし、賠償金を奪い取って金儲け。
王は一世一代で大国を築き上げた。
野望を叶えた直後、王は病であっさりこの世を去ってしまう。
その悪魔使いが渡り歩いた国々は廃墟と化していくそうだ。
死の狩人。滅びの暗殺者が存在するという。
時の権力者、絶世の美女、巨万の富を得た者。
人生の成功者は一方で心に闇を落としていく。彼ら彼女らの苦しみを、死と滅びをもって救済する。亡骸にはいつも黒薔薇が残される。
訪れる突然の死。死後世界からの迎えのよう。狩人の姿を見た者は誰もいない。
黒薔薇にまつわる寓話をもうひとつ。
『黒薔薇に願いを乞えば 大事なものと引き換えに
悪魔が汝の願いを聞き賜う』
黒薔薇には悪魔が棲んでいるらしい。
悪魔の力を借りて願いを叶えれば、滅びが待っている。
黒薔薇は子供たちに不吉だと伝えられ、甘い話には乗らないたとえ話として用いられている。
Xと連動中! 12月23日(予定)まで毎朝7時台更新中!
*** 創作1000ピース ***
たくさん書いて書く練習をするためにまずは1000の物語を書く目標を立てました。形式は問わず、質も問わず、とにかく書いて書いて、自信と力をつけるための取り組みです。
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