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世界幻想見聞録(5)~この世界の言い伝え、噂について~ 【SS】【 140字小説】【オムニバス】
【はじめに】
これはオリジナル短編小説です。創作1000ピース 第74作品目。
X(Twitter)に毎日投稿している140字小説を複数編まとめたものをnoteにも投稿していきます。
<企画の趣旨について>
Xの毎日投稿(毎朝7時台更新)の方もよろしくお願いいたします。
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各140字小説の区切りがわかるように、引用表示でお送りします。
地の民は踊る。豊作を願うために。
海の民は唄う。無事の航海を祈って。
山の民は踊る。火山が噴火しないようにと。
森の民は唄う。森と生き物との共栄共存に感謝して。
彼らの心には彼らの神が宿り、彼らの世界を守り育んでいく。
地中に古の王の墓がある。その上には古びた城が建っている。
城主の末裔はこの世におらず、壁は朽ち、廃墟となっている。
歴史を偲び訪れた旅人は、さらに古い歴史が足元に埋まっていることを知らない。
王の墓は破壊と略奪は免れても、砂塵に埋もれ、人々の記憶からは永遠に消え去ってしまったのだった。
双子の世界があるらしい。
今自分たちが生きている世界と鏡写しになっている世界のことだ。
これを反世界と呼ぼう。
すべての性質が反対で、強い意思の力がないと、そこに自分を存在させることができない。
なんとなく生きているだけの人間は反世界では間違いなく消滅してしまうんだ。
密林の中に古の大神殿を発見した。
神殿の入り口に続く道は整備された跡があり、精巧に切り出された石を積み上げた外観と、緻密な石の彫刻には遺人たちの技術力の高さが伺え、息を飲んだ。
神殿の主であった森の民は千年前、平地の民の襲来により駆逐された。大神殿も密林の中で忘れ去られていた。
破壊された女神像がある。
かつてそこには女神を祀った多神教文化が根付いていたが、信仰していた民族が土地を追われ、今は異なる唯一神を信仰する異教徒の街になっている。
追放された民族はかつての聖地に憧れを抱き、異国の地に足を踏み入れる。聖地巡礼で命を落とす者は数えきれない。
世界が壊れる瞬間があるとしたら、それは何だろうか。
魔法が技術に取って代わった瞬間。
神の存在が暴かれた瞬間。
国が滅んだ瞬間。
信じられていたことがデタラメだとわかった時。
それならもう、世界は何度も壊れている。
その部族には掟がある。規律であり、秩序でもあり、仲間意識のために必要不可欠だった。
破ってしまえば、集落では人として見なされず、衣食住を奪われ追放される。
その掟とは、集落を臨む高地の丘にある木に近づかないこと。加えて実った赤い果実を食べないこと。それは災いを呼ぶ果実だという。
Xと連動中! 12月23日(予定)まで毎朝7時台更新中!
*** 創作1000ピース ***
たくさん書いて書く練習をするためにまずは1000の物語を書く目標を立てました。形式は問わず、質も問わず、とにかく書いて書いて、自信と力をつけるための取り組みです。
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