作品をつくるということ
メディアに携わるということは、それはニュースでも、フィクションでも、現代の巫女的な役割を担っているのではないかと考えることがある。
というのも、メディアの語源はメディウム、間に入るもので媒介という意味でもあり、霊媒的な意味もあるという。
私にとって"メディア"をつくるときに、少し霊的な感覚があり、自分が透明な器になる感覚になることがある。
そして、そんな何かと何かを繋いだような、真っさらで透き通ったなにかになった時、確かに誰かの心を動かすものが出来上がる。
そんな時には、信仰している特定の宗教はないが、神的な存在を感じる。
ある種、私はバトンを受け渡すにすぎない役目なのかもしれない。
でも、これまでの物語の語り手が灯してきた明かりを受け継ぐことができるのなら、そんな幸せはないと思う。
映像の仕事を続けていると、ふとした時に、人類の歴史と、遺伝子と、なにか大きな流れ、自然的なつながりの中で、私は生きているんだろうな、と感じることが多い。
ドロドロな物語を描いたとしても、自身は透き通った媒体でありたい。
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