87歳、古い団地で愉しむ ひとりの暮らし
「自由に使える時間が贅沢にある、長生きのご褒美ですね」
そう話す87歳の多良美智子さんは、築55年の古い団地でひとりで暮らし。7年前に夫を亡くし、3人のお子さんはそれぞれ独立しています。
多良さんの日常はごく普通ですが、どこかキラキラ輝いていています。著書『87歳、古い団地で愉しむ ひとりの暮らし』ではそんな多良さんの過ごし方が書かれています。
部屋を好きなように飾ったり、インテリアにこだわってお家時間を楽しんでいる様子はとても素敵。キラキラ輝いて見える理由は、こうして日常生活をていねいにご本人がいちばん楽しんでいるから。
私が一番注目したのが、多良さんの健康への気遣い。簡単で美味しいお料理がいくつも紹介されていたので、とても参考になりました。
調理は簡単に 食事を愉しむ
65歳のときに調理師免許を取得した多良さん。10代の若い生徒さんたちの中でとても勉強されたそうです。
「ひとり暮らしですが、三度の食事は自分で用意し、きちんととるようにしてい ます。朝は7時、昼は12時、夜は6時半と時間を決め、1日の区切りの時間に。 習慣になっているので、ご飯を食べないと、次のことに進めなくなっています」
朝食は8種の材料を使ったスムージー。プロテイン・おからパウダー・緑黄色野菜・すりごまなどを混ぜて作っているそうです。美味しいし、健康にもいいですね。
そのほか、大根ときゅうりの醤油漬けや、切り干し大根の煮物など簡単ですぐにマネできる料理もたくさん掲載されています。
「大根ときゅうりの醤油漬け。大根ときゅうりを賽の目に切り、醤油をたらっと 垂らして数時間置くだけです」
「切り干し大根の煮物は、水で戻して絞り、油で炒め、だしを加えて煮るのが一 般的。でも私は、切り干し大根と水を鍋に入れて戻したら、そこにそのままニンジンなどの具材を入れてしまいます。あとは砂糖と醤油を加えて煮るだけ」
多良さんは粗食ですが、日々の食事の時間を大切にしており、1品ずつお気に入りの器に盛って楽しんでいるそうです。
ウォーキングで摘んだ草花を窓辺に飾ったり、読書や裁縫など、ひとりでできる趣味がたくさん。85歳のとき孫とYouTube「Earthおばあちゃんねる」を開設し、現在は9万人を超える人気チャンネルです。
ひとり老後の愉しみ方がたくさんつまった一冊です。ぜひご覧ください。
目次
第1章 87歳、古い団地で ひとり暮らしを愉しむ
第2章 調理は簡単に 食事を愉しむ
第3章 無理せずマイペースに 健康維持を愉しむ
第4章 ひとりの醍醐味 家時間を愉しむ
第5章 つかず離れずで 人付き合いを愉しむ
第6章 メリハリを持った お金の使い方を愉しむ
第7章 将来を心配しすぎず 今を愉しむ
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