見出し画像

鑑賞ログ「20歳のソウル」

220603@TOHOシネマズ上田

神尾楓珠主演作品として存在は知っていたけれど、スルー予定だった。佐藤浩市が出ているから興味はあったけれど、観るべき作品の1本にはなりきれてなかった。でも観たいという知人がいたので鑑賞することに。

今でも母校で演奏される応援歌を作曲しながら、若くして亡くなった千葉・市立船橋高校の吹奏楽部卒業生の実話を基にした青春作品。音楽に没頭し短い命を燃やす主人公・タイギを神尾楓珠、彼の恩師で吹奏楽部の顧問・タカハシを佐藤浩市が演じる。そのほかに部活仲間にAぇ! groupの佐野晶哉と前田航基、主人公の母親役に尾野真千子などなど。主人公の彼女役の福本莉子が初めましてだった。キレイな子や。

青春を感じさせるフラッシュシーンがことごとくスローで展開される。2回か3回あったな。いや、たなびく旗の画とかちゃんとこだわりを感じるし、構図もちゃんとしてるんだけれど…なんだかなぁ。私には教科書的な優等生作品的で、面白み?毒っ気?がもっと欲しかったな。
主人公の高校時代と大学生時代がぱっくりと、まるで二部作のように分かれていたのも気になる。さらに、物語のキモは佐藤浩市演じる音楽教師と主人公の交流なわけなんだけれど、主人公の高校生時代に二人の関係性の深さはほとんど描かれないので、第2部(と言ってしまう)で主人公が先生のことを憧れの人と語ることに違和感を感じてしまった。いや、いい関係性で感動的なんだけどさ。

主人公の母親を演じているのが尾野真千子なんだけれど、彼女もこういう役をやるようになったんだなぁと感慨を感じた。ま、年齢的にはそりゃそうか。佐々木蔵之介とか西島秀俊が若いおじいちゃんをやってもいい年齢なんだもんな。

しかし…長いっ!いくら顔面国宝級の神尾楓珠でも、ちょっと尺が長いぞ…いいエピソードがあったり、細かく役者が出てくるので、切りにくいんだろうけれど、本筋に関係のないシーンがいくつかある。大きなオチは変わらないから、そこに一直線に行けばいいのに、箸休め的に小さなエピソードが挟まってくるから長いんだなぁ。命のこととか、細かく伝えたいメッセージがあるんだろうけれど。ん〜ラストもいいし、いい作品なんだけれどなぁ。決して暗くならないラストには好感が持てる。演出も役者の演技も良かったと思う。あそこは迫力がある。

それにしてもこういう作品の品質保証としての佐藤浩市の力はすごい。観に行ってもいいかもと思うもんな。少なくとも脚本とかで佐藤浩市がOKを出しているということだけで、安心感がある。神尾楓珠と佐藤浩市の共演作品として観るにはいい作品だけど、やっぱり地味だな。題材も演出も真面目ゆえに、非劇場とかで上映されそうだな。学校で観そうな感じだ。いや、それならいいと思える作品ではある。ところで学校で映画って今でも観てるのかしら?

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?