行方不明になった少女を追いながら、“見えざる差別”について考えた:イラン映画「ある女優の不在」の感想
たとえ主張していることが正論でも“女性だから”という理由で石を投げられ、忌み嫌われるような男性優位社会。
アゼルバイジャンの片田舎にある閉ざされた村社会で、一人の少女が自分の夢を実現させるためには、誰か権威のある存在に味方になってもらうしかない。そう例えば、テレビドラマの世界で輝く女優のような、誰もが認める存在に…。
少女マルズィエも最後にそんな思いを込めて、女優のジャファリに自殺をほのめかすようなビデオメッセージを送ったのかもしれない。彼女が託したメッセージはあまりにも切