2023.3.21春分の日
ついに春が来た。
里山のミツバチ達は活発に動き出す。
ここは神戸市でも自然豊かな里山。三宮からわずか30分
小鳥のさえずりが聞こえ生物が多様に生きる自然豊かな農村地域。
こんなにアクセスの良い場所でありながら、過疎化の波はここ神戸市でも全国に同じ。
神戸市西区押部谷地域は高和小学校が全校生徒で36人
私の住む細目の屋敷跡地の集落でも36世帯ほど。
両隣後ろも前も空き家が続いていた。
実際に空き家はある。あるけれど、持ち主が特に困るわけではないので
売りや貸し出しはしない。ただそこに在る。いずれ建物は朽ちる。
家は人が住んでこそ氣が回り維持管理ができ循環する。
一度人が住まなくなれば朽ちるのも早い。よどみができる。
農村地域の、それも市街化調整区域となると農家住宅として立て直しも一般の人にはハードルが上がってくる。高齢者が多く一人暮らしの世帯も多く、単身、核家族化、資本主義貨幣経済による全ての「よどみ」は、あちらこちらに増加の一途だった。
春分から、宇宙のエネルギーが降り注ぎ新たな流れが始まった。
現状が動き始めた。ここを境によどみに終止符が打たれた。
先祖のためにも大切に使って欲しいと次々と手放す方が現れ、その方々の相談に乗っているうちに、次々とそこを活用したい若者や子育て世帯が現れた。
一軒、また一軒、とトントン拍子に次世代に引き渡す世代とそれを大事に享受し活用する世代とが一致し循環の氣が回りだした。
子どもは未来だ。
子どもの声が響く里山は明るい。
まるで太陽の様な笑い声とそれを寛容に見つめる大人たちの眼差しで里山が光り輝いている。
そこに暮らしていた人よりも移住組が圧倒的多数を占めるようになった。
地域を活性化し文化をもたらすのは人類の歴史上でも
「若者」「よそもの」「バカもの」と言われるように
地域の文化も構築され、他の過疎地域のモデル地域として表彰され
メディアでも取り上げられ、多くの方が見学に余暇に訪れる地域となった。
にわとりも、みつばちも、里山に住む生物多様性と人との交差点はとても豊かだ。
自治会も変わった。これまでは男の人たちのそれも高齢世代で成り立っていたが、今は時代が変わった。
40代の女性が自治会長に。それも半数以上が女性で、これまでは農家や寺総代など地縁が必要であった風習も一変し、誰もが地域の取り組みに参加できるようになり交流が始まった。
これが防災の根本である。地域の連携力が強化され今では強固な絆で完全な防災となっている。ネイバーフッド(近隣)とグッド(良い)を掛け合わせたネイバーグッドな関係がわずかな時間で出来上がってしまった。
これまでのじじいの会、自治会から
村長制度になり、誰もが村長ならぬ尊重される時代になった。
人は誰かをリーダーにしたり、誰かにすがりたくなる。
そんな時、真の権力やリーダーというのは象徴と言われる天皇の様に
常に人々のしあわせを祈る人でありたい。
そして今、ただお世話やつなぎやくをしてきた私が村長になった。
無力でありながら、無力であるがゆえに、人々と協力し合い、支えられ
より良い地域であるために、「感謝と信頼」の心を持ち続け村民と共に歩む村長として選ばれた。
人財、資源、全て地域の宝である。
小さな集落で村が成り立つようになった。
インフラであるエネルギーも自給自足で成り立ち、
水、電気、ガスあふれるすべてがこの村の大事な資源として豊かにうるおいをもたらし、地域資源として村収入まで得られるようになった。
この村にいるだけで人々は快適な日常を送ることができる。
そこにお金は発生しない。全て自然からのエネルギーであるからこそ
ただ自然に感謝し、信頼と尊敬の相互理解によって日々を豊かに生きることができる与え愛の小さな社会が実現した。
持続可能な取り組みとして100年先いや1000年先の子ども達のことまで考えられている。
無力な人が一人また一人と繋がると大きな勢力となり有力となる。
東経135度の地、ミロクビレッジ(369village)の小さな点から大きな循環の豊かさの渦が発生し精神文明の礎が出来上がった。
mayu miroku