春が嫌、なんつって【ハルガヤ】
踏まれたハルガヤからバニラのような甘い香りが漂う。
ハルガヤは全草にクマリンという成分を含んでいて、揉むと桜餅のような甘い香りがするので、別名をバニラグラスという。
わたしたちはハルガヤが生えている場所を歩き、その甘い香りを楽しんでいた。
クシュン!クシュン!!
「私、イネ科アレルギーなんですよ」
突如くしゃみが止まらなくなったHさん。
ハルガヤはイネ科アレルギーの原因となることがある。
Hさんのクシャミの原因は、この状況であれば間違いなくハルガヤだろう。
そうとは知らずにハルガヤの花粉を撒き散らしてしまった。
イネ科は私たちのまわりに普通に生息している。
ただ、スギやヒノキなどの花粉と違って、イネ科の花粉は遠くまで飛散しないという特徴がある。
案外、自分が知らないだけで、花粉症の原因はすぐそばにある。
アレルギーの原因となる植物を知り、その植物から離れるだけでだいぶ症状は落ち着く。
Hさんは「春はハルガヤに近づかないようにします。クシャミが止まらない春が嫌、なんつって」と言って帰っていった。
ハルガヤ
漢字:春茅
別名:バニラグラス
花期:春~夏
生息場所:多摩川の土手側、太陽があたり、乾いている場所に生息する
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多摩川野草てぬぐい | 多摩川を愛でる会通信 (tamagawalovers.com)
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