食パンマンは何食パンなのかを考える
朝の食卓にポピュラーな食パン。
今朝は食べなかったけど、朝に食べる頻度はダントツだし、パン業界でも食パンの売れ行きは大事な指標となるらしいし、まだじわじわと高級食パンブームは続いているし、わたしのパンへの恋心を気付かせた、なかなかに侮れない存在なのである。
そんな風に食パンのことを考えていたら、ふとあのアンパンマンのドキンちゃんを虜にした爽やか王子さまの食パンマンって、一体どの食パンに属するのだろう…と気になってしまった。あのクラム(パンの中身)はしっとりふわふわそうだなーとか。6枚切りっぽいなーとか。なので、わたしなりに少しだけ真面目に考えてみようと思う。
そもそも食パンってなんなん
食パンはリーン系(粉・水・塩・イーストだけで作るパンのこと)で型にはめて焼かれたパンのことを指す。食パンは日本独自の呼び名であって、”主食になる食事パンだよ。”ということらしい。そもそも原型はフランスやらイギリスのパンなんなんだけど、いい感じにアレンジして、フランスもイギリスも日本流も全部ざっくり食パンという都合の良い括りにしてるっぽい。個人的にはおいしければそれでなんら問題はない。
一般的に食パンは角食パンと山形食パンの二種類に分けられる。各々の特徴をこれから説明していこうと思うが、食パンマンがどちらの食パンに属しているのか、考えてながら読んでいただきたい。
その1.角食パン
主に食パンとは角食パンを指す。スーパーに並んでいる「超熟」とか「ロイヤルブレッド」などがその類だ。高級食パンの類も角食パンがほとんど。(細かくいうと、高級食パンは副材料が入っていることが多いから、食パンと言えるのか…という素朴な問題は置いておく。)
角食パンの由来は、パンを焼く際に、蓋をして焼くから。そのため正方形に近い四角の食パンができる。角しかないので角食パンとでもいうのだろう。
特徴として、クラムがきめ細かくなめらかで口溶けもよく、適度な弾力がある。クラスト(パンの耳)も比較的柔らかい。また、角食パンは「プルマン形」や「プルマンブレッド」とも呼ばれる。アメリカのプルマン社の作る列車に似ているからとか、プルマン社の食堂車で角食パンが提供されていたとか諸説あるようだが、真相はそんなには興味ない。
その2.山形食パン
山形食パンは名前の通りに食パンの上部が山のように膨らんでいる食パンを指す。
「イギリスパン」とも呼ばれ、フランスパンと食パンを区別するためにつけられたとも、食パンが伝わった明治時代にイギリス人はよく山高帽をかぶっていてそのフォルムに似ているからともいわれている。
角食パンと違い、蓋をせずに焼くので水分が飛びやすくクラムのきめが粗い。あっさりしていて食感も軽い。クラストもパリパリである。イギリスでは薄くスライスし、カリカリに焼いてサンドイッチにするのだとか。
昨日書いた「パンへの想いに気付いた話」の食パンも山形食パンに属する。
結局食パンマンは何食パンなのか
結論からいって、彼は山形食パンでもあり角食パンでもある。
結局どっちでもないんかい!とお思いだろうが、一応わたしなりにいろいろ考えてみた。
まずはビジュアルから考えたい。食パンマンのフォルムは頭の上が少し盛り上がっていて山形部分の色が濃く、平らな側面は少し色が薄い。
蓋をして焼けば、均一に火が回るので、クラスト部分の焼きムラはほとんどないはず。焼き色に差が出るということは、その部分は直接火が当たったと考えられる。山形のふくらみと、色の濃淡からビジュアル的には山形食パンだといえよう。
次に食パンマンのイメージだ。食パンマンのあの真っ白で柔らかそうできめ細かそうなクラムは角食パンのものであるし、食パンマンの性格からサクサクであっさりな山形食パンよりもなめらかできめの細かい角食パンの方が彼のイメージに合う。山形食パンのイギリスっぽさより、角食パンのフランスっぽさの方が似合うと思う。
何より、彼は幼児向けのキャラクターだ。子どもたちが視認しやすく、食べるときに馴染みがある必要がある。そうなると、特徴的な山形のふくらみがあった方が食パンと認識しやすいし、食感はよく食べる食パンであること。つまり、一般的に手に入りやすい角食パンであることが考えられる。
つまり、”見た目は山形、中身は角食、その名も食パンマン!”
だと思うのです。いかがでしょうか。
食パンマンのこと考えていたら、色々アンパンマンって深いことがあるなーと思ったので、これはまた別の機会にでも。
ちなみに”食パンマン”は正しくは”しょくぱんまん”だそうです。
書き換えるの手間なので、このままで。誤表記、謹んでお詫び申し上げます。
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