「医療機能」の4類型(高度急性期・急性期・回復期・慢性期)
written by 病院建築note@医療機器出身のゼネコン社員
※有床診療所については、施設全体を1病棟と考え、施設単位で報告します。
医療機能の4類型
病床機能報告においては各病棟の病床が担う医療機能を4つに分けており、各医療機関のご判断で1つ選択して報告します。
診療報酬が高く、症状が重い方から機能を①高度急性期②急性期③回復期④慢性期に分類します。地域医療構想においては病床をこの4つの医療機能に分けて、過不足の解消を狙っています。
病床機能報告が平成26年から、地域医療構想の策定が平成27年からなので、この4つの定義は病機能報告が定義しているようです。
「病床機能報告」と「地域医療構想」の2つがサイクルすることにより地域の医療機能を適正化していきます。詳細は下記の通りです。
①高度急性期 (イメージ:各地域の基盤病院、腎移植手術をする病院)
急性期(病気が始まり、病状が不安定かつ緊急性を要する期間)の患者さんに対し、状態の早期安定に向けて、診療密度が特に高い医療を提供する機能。たとえば、救命救急病棟や集中治療室などで提供している医療です。
平均入院日数は短くて3日前後、長くても1週間くらい。
私が医療機器メーカー時代に営業していたのは、高度急性期の病院です。
手術件数も多いので、最新の医療機器に対する投資も活発です。
②急性期 (イメージ:200床以下の病院も保有しており規模がまちまち)
急性期の患者さんに対し、状態の早期安定に向けて医療を提供する機能。
平均入院日数 12~13日。
診療報酬が高い急性期を選択して病院報告しながら、実際には低密度医療しか行わない病床(いわゆる「なんちゃって急性期」の病床)のあり方が問われています。
③回復期 (イメージ:在宅復帰に向けたリハビリ支援)
急性期の医療が終了した患者さんに対して、在宅復帰に向けた医療やリハビリテーションを提供する機能。
急性期を経過した脳血管疾患や大腿骨頚部骨折などの患者さんに対して、ADL(食事やトイレ、入浴や移動などの日常生活上での動作)の向上や在宅復帰を目指したり、リハビリテーションを集中的に提供したりする「回復期リハビリテーション機能」もこれに該当します。平均入院日数は67日。
④慢性期 (イメージ: 手術室もなく、医療機器は少ない)
長期にわたって、療養が必要な患者さんを入院させる機能。
そのほか、長期にわたり療養が必要な重度の障害(重度の意識障害を含む)を持つ患者さん、筋ジストロフィー、難病患者さんなどを入院させる機能もこれに該当します。平均在院日数は約82%の病棟で90日超、約41%の病棟で300日超となっています。
病棟に複数の病床が混在する場合どうする医療機能をどう決めるのか。
病床機能報告においては、病棟が担う医療機能をいずれか1つ選択して報告することとされ ていますが、実際の病棟には様々な病期の患者が⼊院していることから、下図のように当該病 棟において最も多くの割合を占める患者に相当する機能を報告することを基本とします。
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hospital architecture note
mail:07jp1080@gmail.com
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