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爆クラpresents「ツバメ・ノヴェレッテ 〜 コトリンゴ×首藤康之×オーケストラ・アンサンブル金沢で送る、 新時代のダンス交響詩〜」のプロデューサーによるレポート、ととのいました!!

 富山ナウ! 富山大和デパートのスタバナウ!!! 一昨日の爆クラpresents「ツバメ・ノヴェレッテ 〜コトリンゴ×首藤康之×オーケストラ・アンサンブル金沢で送る、新時代のダンス交響詩〜」@岐阜県・高山市民文化会館大ホールは本当にマジで大成功の内に終了し、昨日はいろいろ表敬訪問を終えて、富山に行って、寿司で自分打ち上げ(重要)。で、今やっとご報告ができる状態になりました。

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 ご報告の前に、今回のコンサート、破格の人数と機材を動員して、「こりゃ、もう番組じゃないか?!」という有料配信を実施しています。なんと1,000円で明日22日いっぱい視聴可なので、本当にみなさんに、観ていただきたいのです!!

↓ご購入はこちら(ご購入は12月22日(水)21時まで)↓
https://eplus.jp/bakucla/

 休憩を挟んでの2部構成で、メインのツバメのいわゆる「メインディッシュを予感させる前菜三種」ということで、選び抜いた3曲を1部ではオーケストラ・アンサンブル金沢(以下、アン金)さんに演奏していただく、というさらづもりだったのですが、第1曲目にバーバーの『カプリコーン協奏曲』(爆クラではお馴染みの湯山の大好物)を選曲しちゃったもんだから、サア大変。経験豊かなアン金さんもマエストロ鈴木織衛さんも「曲は知っているが初めてヤル」というコチラ、考えてみれば、超複雑系リズムと、コンチェルト・グロッソ様式ならではの、フルートとオーボエ、トランペットのソロが「間違えたら地獄!」 の難曲で、「わははは、やっぱムズいですよねー?」(湯山)、「うむむむむむ〜ん」(アン金&マエストロ)という状態。しかしながら、「オケはこうやって音をまとめて音楽にしていくのか!!」という粘り強い現場をとっくりと経験させていただきました。いや、今回結果として、新曲2曲だったじゃないかい!!!

 で、問題のツバメですが、そんなカプリコーン地獄がアン金さんたちの魂に火をつけたのか、余裕と気合いが入った艶っぽい演奏。驚いたのがコトリンゴさんで、オケの中でピアニストとしてもガンガンプレイするのですが、全く動じていない。御本人、慣れないドレスとダイヤモンドのイヤーカフ(カシケイさんありがとう!)を付けて、朗読やソロを歌う場面もあるのですが、このツバメの世界を創り上げ、統率する女王のようにエレガントで堂々としている。彼女のために、用意したアンチ森ガールなグレース・ケリーラインの真っ赤のドレス(不肖、湯山デザインであります)と、TWIGGGY.松浦美穗ディレクションのアブストラクトな強めのヘアは間違っていなかった!!!

 コトリンゴさん、ご自身の歌声も詩の世界も自他共に、可愛い、か弱い、子供の世界、カフェ、手作りパンケーキ、靴下とボアのショートブーツのようなイメージでとらえられている方ですが、今回の交響詩はその世界に強さ、妖しさ、グラマラス、男性性のような隠し持った別世界の扉が開いたようでした。オンナコドモのきれい事の弱さ、ではなく、オンナコドモのきれい事の強さ、というね。

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 そして、何といっても今回のダンス交響詩をオリジナル振付で踊っていただいた首藤康之さん。振付は打ち込みのデモテープであらかたやっていて、「やっぱり、生のオケの音を浴びないことには、決定できない」ということで、リハの音出しと合わせてどんどんプランを刈り込み、また肉付けていく。リハの同録を観ながら、入りや他のメンバーとの絡みを決めて行く。その判断全てに迷いがないスピード感たるや!!

 そして、本番。ダンサーの本質である「音楽のエネルギーを自分に取り込んで、それを光として照射する」というメディア=媒体、巫士感をここぞとばかり発揮。明日まで視聴可の有料配信では(な、なんと1,000円です)、その表情をとくと鑑賞できるので是非ご覧になってみてください。舞台に居て、腕を上げるだけでそこに異界の風が吹く、という現場がそこにはあります。

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 でですね、ザ・レジェンドの選抜メンバー、志村糧一(テノール)、吉田知明(テノール)、菅原浩史(バスバリトン)の「テーラー兄弟」というツバメ全曲中のコメディ部分をバッチリと受け取ってもらいました。この人たちの凄いのが、クラシックの歌手としては破格の演技力とエンタメ能力があるところ。音大の先生に習いました系の紋切り型の表現とは雲泥の差の、ショウの場数を踏んできた実力、ですね。

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 指揮者のマエストロ、鈴木織衛さんは、第1部の私との「おもしろ解説」にも、ノリノリで付き合っていただきました。指揮者は本当に謎の多い、クラシック音楽の職分ですが、今回のカプリコーン地獄wwほかとツバメで見せていただいた、野球でいうところの「勝てる監督」ぶりにもうもう大拍手です。妥協はせずに、限られた条件の中で良い音楽をつくるためのエネルギーと知恵がある。

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 母親の故郷である飛騨高山にご縁をいただいて、『湯山昭の音楽』コンサートを実施したのが、今年の2月。そして今回と、こういった新しいクリエイティヴに興味を持ち、全力で後押しをしてくれる高山市文化協会のみなさんの人的なバックアップはもの凄く、今回はいたるところでポスターを見かけました。女性たちのグループに話しに行ったところ、「託児所があれば行くのに!」という声に、「じゃ、やっちゃおう」とその場のメンバーで決定したことは、本当に感動。日本全国「面倒くさい事は、なりたくない病」にかかっている今、貴重で希な気風がこの地にはありますねぇ。

 戦後、紙鍵盤練習で国立音楽大学附属高校に受かり、高山の高校から転校したわが母と祖母は、「受かりますように!」とお百度を踏んだのが、飛騨高山の初代藩主で高山文化の源流をつくったとされる金森長近。そのお墓が母方の墓地にあるので、今回もバッチリお願いをしてきた結果ですかねぇ。茶人であり、吉田織部とも親交があったという金森長近。生きていたらwww、絶対に今回のコンサートのセンス、お気に召すと思います。

写真:下屋由香里

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