これ聞くとあっという間にあの頃にタイムスリップする3曲
その曲を聞くだけで
口の中が甘酸っぱくなるものや
胸が何かに圧迫されてるんじゃないかと
ものすごくリアルに当時が呼び戻される
あの不思議な感覚。
曲にはそんな力があるように思う。
例えば、
DreamsComeTrueのSnowDanceを聞くと
付き合いたての恋人と家の近所の公園で
話していた時を思い出す。
公園はもう、日も暮れて、
いつもは賑やかな声が聞こえる場所も
しんと静まりかえって
静かにあかりが私たちを照らしているだけだった。
私はそこにあった4つのうちのブランコの一つに乗って
立ち漕ぎしながら恋人になって
まだ間もない彼と話をしていた。
顔が見えるか見えないかわからないくらいの
明るさがかえって私をリラックスさせたし
他愛のないゆっくりした時間が
二人の間に流れていって
やわらかい暖かい布に包まれているような
そんな幸福感にまとわりつかれている
そんな特別な時間だったと思う。
ブランコを漕いでいたら
急に風が吹いて、満開だった桜がハラハラと
私の顔の前を通り過ぎた。
まるでそれは雪のようだったし
公園の夜の照明に照らされた桜の花びらたちは
本当に美しかった。
それを感じて私は
ハラハラ舞う〜雪になって〜
あなたのホホをそっと撫でて〜
と鼻歌のようにそっと口ずさんだ。
その時にカレが何を思うかなど
何も気にしなかったし
それを聞かれているとも思わなかったけど
彼はこう言ったのを覚えてる。
その歌大っ嫌い。
2度と僕の前でその歌歌わないで。
かなりムッとしてそれを私に言った。
理由は昔こっぴどく振られた元カノを
思い出すからだそう。
しらんがな。そんなこと。
ひとの趣味嗜好に口出ししてくんなや。
それから松任谷由美さんの
恋人はサンタクロース。
流行ったのは私が随分と小さい頃だったようだが
クリスマスシーズンになると必ず
どこかしらで聞こえてきたので
いつの間にかそのメロディラインを覚えてしまった。
ちょうど期末試験の勉強をしていた私は
深夜ラジオを聴いていた。
季節的にユーミンの恋人はサンタクロースが流れてきて
勉強の手を止めて少しラジオに耳を傾けた。
歌詞を聞いていたら
なんでかわからないけど
すごく悲しい気持ちになった。
まだ幼い私は
自分のことを好きになってくれる人がこの世にいるのか
恋人というものが私にできることがあるのだろうか?
未来への不安しかなくて
なんだか泣けてきた。
翌朝、母に
昨日ラジオを聴いていて
悲しくなったと、昨日自分に起きた
心情を伝えたら母に
ばかやね〜
と笑われた。
2度と自分の気持ちは人に言わないと決めた
思春期の私を思い出す。
最後に椎名林檎さんの「ありあまる富」
この曲を聴いた時に
私を同じ考えをしている人が世の中にいるんだ
と思った。
だれも私の何一つだって奪えないし
数えられるものに価値なんて感じない。
富という定義は人それぞれだけど
豊かさは絶対に自分の中に
見え方で溢れていると思っているからだ。
富は豊かさがもたらすものだし
豊かさがもたらさないと富は
なにも人に十分な充足感を与えないから
常に欠乏感に襲われて
なくなることや、減ることばかり気にして
心がどんどん貧しくなっていく。
お金を持っていても幸せじゃない人は
豊かさが産んだ富を手にしてないからだと
私は思ったりしている。
この曲を聞くたびに
世界中でたった一人でも
同じ考え方をしている人がいる
同じように物を見ている人がいる
(かもしれない)と感じて
いつも心が乾いたスポンジが水を吸うように
潤っていくんだ。
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