私のいるステージに登ってきなさい
むかしむかし、私が実際に言われた言葉なのだけど。
当時私はある人を慕って尊敬していた。
仕事においても私生活においても。
彼女の言うこと全てが勉強になったし
実際に生きるのが辛かったところからも
抜け出すことができた。
でもある程度時間を過ごすにつれて
今まで見えてこなかったものが
見えるようになってきた。
尊敬していたはずなのに
時々不信感もやってきた。
今考えると
そのことを彼女に見抜かれていたのかもしれない
ある時を境に彼女の私へのあたりが
急に強くなった。
言葉も態度も。
わざと傷つけるようなこと言う。
私はどうしていいかわからなかったし
なぜこんなことになったのかも
よくわからなかった。
今思えば
私は尊敬するあまり
彼女の見たいところだけしか見ておらず
自分の見たくないところに関しては
完全に蓋をして美化していた。
私の言動にそう言うのも滲み出ていたのかもしれない。
それが無意識に彼女の自尊心みたいなのを
傷つけてしまったのかもしれない。
いよいよもうさよならだ
って時に彼女は私にこう言った。
早く私のいるステージに上がってきなさい
それから話をしましょう。と。
私はさっぱり意味がわからなかったが
精一杯の強がりというか
虚勢のようなものだったのかもしれない。
その経験から私は自分の無意識の癖のようなものに
気づくことができた。
尊敬する人を理想化し
その理想が少しでもずれていると感じると
がっかりして見下してしまうその癖。
いい部分しか認めない。
自分の都合のいい部分しか認めない。
すごく幼かったなぁと今では思う。
これを教訓に、人を理想化したり
崇めたり、憧れを持ったり
勝手に期待をしたり
そう言うのをやめていこうと思ったりした。