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知らなかった自分との出会いを求めて 『メモの魔力』 #629
新年度が始まって、フレッシュなメンバーがやって来ました。今年も新人研修の季節です。受ける方も、準備する方も、神経を使う時ですよね。
わたしの勤務している会社では、完全オンラインでの研修になりました。オンラインのよいところは、レコーディングが手軽なことです。迷った時に見直せるし、住んでいる地域も関係ないですし。
今年はもっと研修のDX化を進めたいと思っているのですが、わたし自身は「手書き」を捨てることができずにいます。書きながら考え、考えながら殴り書きをするには、やっぱりアナログの方がいい。
新人たちがメモしたものを見せてもらったところ、マイノートに手書きする人、パソコンのテキストファイルに入力する人、スマホのメモに入れる人、それぞれでした。
注意事項をメモするのであれば、データ化して管理する方が便利です。でも、「考える」土台のためのメモであれば、手書きがおすすめ。そしてせっかく書くのなら、2倍3倍に活用したい。
いまさらですが、前田裕二さんの『メモの魔力』は、ただのメモをパワーアップさせる最強の方法だなと思います。
この本でいうメモの「魔力」とは、
(1) インプットした「ファクト」をもとに、
(2) 気づきを応用可能な粒度に「抽象化」し、
(3) 実際のアクションにつながる粒度まで落として「転用する」
ことです。
ノートは見開きで使い、
左ページ:日付・サマリー・ファクト
右ページ:抽象化・転用
を書き込みます。
特に、「抽象化」の練習を積めるのがいいところ。「抽象化」とは、枝葉を切り捨てて、本質を取り出すことなので、同じ失敗をしなくなったり、問題解決能力を上げたりすることができるはずなんです。あと、アナロジー力が上がると、雑談もうまくなりそう。
「抽象化」のためには、3つの問いをかけてみるとよいとのこと。
・What型 → 現象を言語化する
・How型 → 特徴を抽出する
・Why型 → 本質を知る
前田さんの例をノートに書いてみると、こんな感じになります。
What型:現象を言語化する例
How型:特徴を抽出する例
Why型:本質を知る例
簡単そうでしょ? 見るだけならね……。
昨年末、『メモの魔力』のメソッドを社内の勉強会でやったところ、職種ごとにつまずく場所が違っていて、おもしろい発見ができました。メンバーのひとりからはうれしい言葉も。
「これ、得意になりたい!」
学業と違って、仕事には「正解」のないことがたくさんあります。「失敗しないと成長できないよ」といわれても、失敗なんかしたくないと思ってしまう。その気持ちはとても分かります。
そんな時は、抽象化メソッドで、「正解のないトレーニング」をたくさんするのがおすすめですよ。巻末の「自己分析1000問」も、自分のことを知るのにぴったり。意外と気付いていない自分との出会いがあるかも?