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カジュアル世論で売る『新版 戦略PR』 #634
「戦略PR」とは、人が気になるワードを戦略的に作って、「空気=カジュアル世論」を生み出そうとするPR手法のことです。
「Public Relations」の略であるPRは、「企業等の組織と、その組織を取り巻く人々や集団(Public)との間に信頼関係(Relations)を構築すること」だそう。
分かるような分からないような説明だな……というのが、わたしがずっと抱えている疑問なのですが。PRプロデューサー殿村美樹さんの『ブームをつくる 人がみずから動く仕組み』には、
これまで興味を持っていなかった人に訴えかけて、自発的に「欲しい」「使いたい」「行きたい」と思ってくれるように働きかけること。
と紹介されています。
本屋さんでPRについて書かれた本を調べると、「メディアに取り上げてもらえるプレスリリースの書き方」系の本が多いんですよね。もちろん実務的なことを知るのも大切ですが、もっと大きく「考え方」を知りたい時に便利なのが新書です。
本田哲也さんの『戦略PR 空気をつくる。世論で売る。』 は、そんな要望にぴったりの本です。
出版から2年後、情報量が増えたことなど、環境が大きく変化したことを受けて新版が出版されました。
事例がサントリーの「ハイボール」に変わったのと、終章の「戦略PRの明日」が大きく加筆されています。
自発的に「欲しい」と思ってもらうワードを考えるわけですが、たとえば、冷え性の人なら「生姜」はピンポイントで引っ掛かるワードです。わたしも冷え性なので、
・冷水シャワーを浴びる ←寒いよ!
・温冷交代浴 ←寒いよ!
・ストーブよりホットカーペットが幸せ ←解決になってない!
といったことを試していました。そこに、「生姜で身体を温めましょう」と言われると、
そーだよねー!!!
と思ってしまう。これが「気づき」です。
食事は毎日するのですから、じゃあ「生姜」の入っているものを選ぼうかなと「買う理由」が生まれます。
こうしたステップを戦略的に組んだのが、永谷園の『「冷え知らず」さんの生姜シリーズ』だったそう。
この本が出版された2009年から10年以上が経って、PRの戦略性はずいぶん浸透したのではないかと感じます。PRってなに? マーケティングって? という初心者には特におすすめです。
新書でサクッと概要がつかめたら、次は「引っ掛かるワード」を生み出す手法が知りたい。次のステップは三浦崇宏さんの『超クリエイティブ 「発想」×「実装」で現実を動かす』がいいかも。