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法律の大前提をひも解くガイドブック 『条文の読み方』 #483

法律の文章ってなんでこんなに「ナゾナゾ」みたいなの?と思ったことはありませんか? わたしは毎日のように思います。そして泣いています。

わたしが請け負っている校正の仕事には「広告案件」があります。そのため、通常の「文章校正」以上に気を付けなければいけないことが、いっぱい出てきてしまいました。

特にwebメディアの信頼性を揺るがした事件があってからは、雰囲気がガラリと変わりました。そこでもっとちゃんと勉強しておこうと思い、「薬事法管理者」という資格を取りました。

化粧品広告などではよく「薬事チェック」と呼ばれる行程があります。一方でこれを「薬機」と呼ぶ人もいます。薬法と薬法の違いはというと。

法:昔の名前
法:現在の名前

なのです。いまの法律名は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」というもの。短縮して「薬機法」と呼ばれています。「薬事法管理者」資格は、昔の名前時代にできたものだから、こうなっているようです。

勉強してみて知った一番大きなこと。それは、「薬機法について勉強する」とはつまり、「薬機法」についてだけ学べばいいわけではないということでした。周辺の法律やガイドラインすべてを知らなければならないのです。絶望的に果てしない道のりやん。

・景品表示法
・健康増進法
・化粧品等の適正広告ガイドライン

などなど、多くの「法律文」に目を通さなくてはならないのですが、その文章が……。

美しさのかけらもない! ナゾナゾやんか!!

と言いたくなるようなものなんですよね。読めるようになるために、なんかないか?と探した結果、みつけたのが『条文の読み方』でした。

法律の種類や構造など、法学部で学んでいない人にとっては未知の世界である大前提の知識について、やさしく解説してくれるガイドブックです。

目次を見て笑ってしまったのが、「法律の構造」の章でした。

「本則」に定められる事項と「附則」に定められる事項とでは、どういう違いがあるのでしょうか?

そそそそそそそ、そもそもそういう構造だったのか!という状態からのスタートです。「知らなかった!」という話ばかり出てきました。

上の例でいくと、本則が主で、附則が従なのは名前からしてそうなのかなと思っていたんですよね。でも、実際には附則によって本則の事項が変更されている例もあるそう。

本則:法の理想を語る
附則:法の理想と現実をつなぐ

そんな役割分担になっているのだそうです。

もし、お仕事で法律文を読む必要に迫られたなら。そして慣れない法律文に涙したなら。

先にこの本を読むことをおすすめします。「及び」「並びに」「かつ」に違いがあることを知るだけで、読むときにグッと楽になりますよ。


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