マイクタイソンは本当にレジェンド(Legend)だ
皆さまこんにちは。
マイクタイソンvsロイジョーンズJr
マイクタイソンvsロイジョーンズJrのエキシビションマッチを見ました。
マイクタイソンが爆発的に強かったころからずっとテレビで見ていました。ただ、スピンクスとの頂上決戦を90秒で勝ったあとは何となく歯車がかみ合わない試合が続いたように感じ、東京ドームでの試合でジェームスバスターダグラスに初黒星を喫します。
あのとき私は大学生、アルバイトに行くギリギリまで見て、試合が終わった瞬間に発狂しながら自転車を漕いでバイト先へ行きました。
具志堅用高さんが防衛戦をしていたころからボクシングを見続けてきましたが、タイソンが負けた試合は、ボクシングにおける最大の番狂わせ&全スポーツの中でも上位5指に入る番狂わせだと、今でも思っています(他には日本が南アフリカに勝ったラグビーワールドカップ、アメリカがロシアに勝ったオリンピックアイスホッケー、吉田沙保里選手が決勝戦で負けたオリンピックレスリング競技、などが思い浮かびます)
そのタイソンが、15年ぶりにリングでボクシングをすると知り、心が躍りました。Twitterなどで発信されるスピード感満載のミット打ちを見て驚愕しましたし、プロの選手に指導している動画を見た時もその動きは鋭く見えました(なにより、タイソンから直接教われるってスゲェと思いました)
現役時と変わらぬ試合展開
1ラウンド2分という変速試合形式ですが、それでも8ラウンドもやると知り、「本当にエキシビション?」と思わざるをえませんでした。
私、20歳ぐらいの時に一度だけ遊び半分でボクシングを体験してみたのですが、1ラウンド(3分)だけで死にそうになりました。
ボクシングは、すごく体力を消耗するスポーツだと思います。なので、50歳代ではまともに動くのは難しいと思っていました。
試合が始まると、ジョーンズのパンチをヘッドスリップ(上半身の捻り動作)でかわします。タイソンのヘッドスリップは、まさに彼を代表する技術です。
そして相手の左ジャブをそれでかいくぐるや恐ろしいスウィングの左フックが炸裂したように見えました。
「タイソンのパンチをまともに食らったら、試合が終わる」と、映像を見て戦慄しましたが、もしかしたらタイソンもそう思ったのではないでしょうか。後半になるにつれて相手の顔面を狙うことはやめ、ボディ打ちが圧倒的になります。この試合は勝負ではなくエキシビションです。つまり、勝つことが目的ではありません。規定されたフルラウンド、お客さんに楽しんでもらおうという意図を感じました。
そして、試合展開はまさにタイソンの現役時代をもう一度見ている気がしました。
現役時代、たいがいの相手は、タイソンのパンチをふせぐためにクリンチ(抱きかかえること)をします。下手するとホールド(腕を抱えこむ)の反則を取られるギリギリのラインでクリンチに逃れるのを何度も見させられました。
今回の試合もほぼ同じ。本来なら「ジョーンズよ、お前もか」と腹立たしく思うところですが、時間が経つうちに「昔もこうだったよなぁ」と微笑ましくなってしまいました(ジョーンズ自身はそんな余裕はなかったと思いますが)。
まさか50代半ばでここまで鋭い動きをするとは、と驚きました。ジョーンズのほうは1ラウンドが終わった時点で息が荒れていたように見えましたが、タイソンのプレッシャーをまともに受けたら息も荒れるだろうなと思います。
二人はさほど年齢差はないのですが、大先輩が後輩に武道の稽古をつけているような感じさえしました。
タイソンは試合後「ここにいられて幸せだ」と語っていましたが、「私こそ、あなたの試合を見られて幸せです」と言いたいです。本当にいいものを見せていただきました。
そして、公式試合でもないのにあんな恐ろしいパンチを食らいそうになりながら8ラウンド戦い抜いたジョーンズ氏にも敬意を表します。
最後までお読みくださいましてありがとうございました。