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ミミズコンポストを学ぼう
コンポストとは、英語の『COMPOST』からきており、堆肥・堆肥にするという意味です。捨てれば「ごみ」になるものを、コンポストを使って土の栄養(堆肥)に変えて、更にその堆肥を使って野菜を育てる。この小さな循環で毎日の生ごみが減り、美味しい野菜を育てられると、今注目されています。リハビリファームでの野菜を作りには、化学肥料ではない良い堆肥が欲しい。そこで注目したのが「ミミズコンポスト」です。
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7月のリハビリファームワークショップのテーマは「農エンタメ塾」も「自然を楽しむ畑の学校」も『ミミズコンポスト』。
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ヒロさんの説明はリアル。私たちが畑でよく目にするのが「フトミミズ」。でも、このフトミミズは有機物を食べません。他にもミミズは世界中に何千種類もいますが、ミミズコンポストができるミミズはシマミミズとヒメミミズです。
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シマミミズは、体長は5cm~10cm程度(大人) と意外と小さく、調理くずや食べ残しなどの有機物を食べて堆肥に変えます。ミミズは雄雌胴体の生物で、2匹のミミズが交尾後、卵(卵包) を産みます。卵包は約3週間でふ化し、約8週間程度で大人になります。そして卵包を作れるようになるのがその2週間後です。卵包を産み始めるとそれから6ヵ月から1年くらい1週間に2~3個卵を産み続けます。しかも1個の卵包から2~3匹のミミズは生まれます。
ミミズ一匹の体重は約0.4 g で、一日に食べる生ごみは自分の体重の約半分です。平均的は4人家族では一日に約500gの生ごみが出ます。
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約500gの生ごみを処理するには、1kg (2500匹) 分のミミズが必要になります。ミミズは半年で5~10倍に増えますから、半年もすると1家族4人分の生ごみを十分に処理できるまでに増えます。ヒロさんのミミズコンポストは業務用なのでたっぷりサイズ、。実際は、3階建ての家のような形のコンポストが家庭用です。
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ミミズコンポストの特長
1.臭わない
ごみが臭うのは酸素が無い所でごみが腐るからです。ミミズコンポストでは酸素が行き渡った状態で生ごみを腐らせ、ミミズが食べるので臭いはほとんどしません。
2.電気を使わない
ミミズで生ごみを処理する為、電気は全く使用しません。
3.安くて手頃
ミミズコンポストは電動処理機のように、初期費用もかかりません。
4.場所をとらない
ミミズコンポストは、小さなスペースで生ごみを処理できます。ベランダ、庭、軒下等のスペースで出来ます。
5.いつでも処理できます
生ごみの出し忘れ等、生ごみの諸問題がありません。
6.良質な堆肥が出来る
ミミズコンポストで生ごみを処理すると大変良質な堆肥ができます。
一方、翌日の「自然を楽しむ畑の学校」では、逃げ腰だった大人と違って、子供たちは興味津々です。
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ミミズは、土を掘って出てくるミミズ(フトミミズ)とは違って、もっと、体が小さく縞模様のシマミミズと体長0.5~2cmの小型の細い糸のようなヒメミミズをコンポストに使うと聞いて、子供たちは、いろいろと質問していました。
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大人は、視覚からではなく理屈から納得して、ミミズコンポストに理解を示している様子でしたが、子供たちは、ミミズに食べ物を食べさせているヒロさんの手元にくぎ付け。ミミズの糞や尿が堆肥になるなんてすごいと驚いていました。リハビリファームの野菜を土の上に置くと、明るいところが嫌いなミミズはしばらくすると食べ物の下に潜っていきます。また、出汁の後の昆布を持って来ていただいて、食べている様子に見入っています。ミミズの生態系の不思議に、子供は興味津々です。
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※入れていいもの
野菜くず、果物、お茶、コーヒーかす、煮物、乾物、草花、新聞紙、ダンボール、ご飯、パン、麺類、残飯、キャベツ、肉、魚(骨は食べませんが、内臓はOKです)、お菓子、納豆、コンニャクなど
※あまり入れない方がいいもの
ねぎ類、油、ガム、柑橘類など
※入れてはいけないもの
液体(ジュース、牛乳、みそ汁)、刺激物、味付けの濃いものなど
ワークシヨップの後には、急遽「スイカ」を買いに行って、みんなで食べることになりました。こう暑いと冷えたスイカでも食べないと元気が出ません。
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スイカの種をレイズドベッドに飛ばしているのを見かけて、何故かと聞いたらスイカで出てこないか試したいからだそうです。いつもながら、子供たちの発想は素晴らしい。
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スイカも笑っているようです。
食べ終わったスイカの皮は、もちろん、ミミズのエサになりました。
作ったら、土に返すという自然の循環は大切ですね。