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二月の星々、ふりかえり|140字小説

140字小説コンテスト「月々の星々」
一月のお題は「分」でした。

今更まとめ二つ目。

no.1
遅延電車が到着するまでの数分を待てずバス停へ走ったら派手に転んで助け起こしてくれた女性と目が合った時には電車は到着していたらしくホームで待っていれば商談に間に合い出世もしていたがお前は産まれていないのだと母との出会いを語る父は電車に乗れていても出世はしなかったろうと思う息子の俺。

いつもと違う感じ。勢いだけで乗り切ろうとしている。自分でもわかるくらい不出来なんだけど、思いついちゃったから書かないわけにはいかなかった。

no.2
仰げば尊しの「わかれめ」を分かれ道の「分かれ目」だと思っていた。おかげで人生の岐路に立つと脳内で歌が自動再生されてしまう。就職結婚、それから離婚。目の前の用紙に判を押すと高らかに歌声が響いた。微笑んだ私を夫はどう思ったか。どうでもいいか。今こそ分かれ目、未来は明るいと信じている。

ザ・体験談。『別れめ』を『分かれ目』だと思っていたのも私だし、『いま〜こそ〜わか〜れぇめ〜〜〜』って脳内リフレインしちゃうのも私。

no.3
立派な庭つき邸宅の門前で、達筆な「お裾分けです」の貼り紙とともに沈丁花の枝が花瓶にさされていた。ははぁお金持ちは雅なことをするものだと皮肉じみた気持ちで一枝いただく。門前の花瓶ですら立派だったのに、帰宅して曇ったコップに移された花の香は、それでも濁ることなく尖った鼻っ柱を慰めた。

なんだか今回、体験談が多いな。当時は意識していませんでしたが。
沈丁花の花が好きで、いつぞや一枝いただけたときには大事に水にさして愛でたものだ。

no.4
この国では夜に点せる灯りの数が限られていて、人々は小さなランタンに寄り集まる。神の怒りに触れた罰だとも、分かち合う喜びを忘れぬための儀式だとも言われている。少年の頃、街の高台から見た灯りはまるで誘蛾灯だった。老いて死にかけた今はどうだろう。坂を登り、どうか美しくあれと目を見開く。

どうしてこんな皮肉めいた話を書いているんだろ…? 荒んでいたの…?
なかなか書けなくて、ゆっくり考える時間もとれなくて苦し紛れに書いていた気がします。書いてる時は気づいてなかったけど、余裕がないのがわかる文。人に伝わるように言葉を推敲していない。

no.5
母の遺品整理中、クッキー缶に収められた年賀状の束を前に頭を抱えた。罪悪感を感じながら、弔うように目を通してはゴミ袋へと放っていく。挨拶を、宛名を、気持ちを放りながら、降りつもる手紙を眺めて途方に暮れた。私には分からない。いい歳して、こんな片付け方でいいのかも、この心の片付け方も。

これも推敲が足りない。葉書や手紙の始末のつけ方って困るよな、から、気持ちの整理のつけ方、へ移る流れは好き。でも表現の仕方がな、ほかにあったな。



二月は全部予選落ちしたんですよ、確か。だろうなぁという感じ。いつもは楽しく書いているのに、この時は苦しみながら書いていた。だったら書かなきゃいいのに、今までずっと投稿し続けてきたし…という謎の義務感で書いていた気がします。
好きなものを好きなときに書く。それでいいのにねぇ。


以上、ふりかえりでした。
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