「どんな子に育ってほしいですか?」

うちの子供たちの通う学校では、新学年になると毎年保護者に対して「どんな子に育ってほしいですか」と言うアンケートが配られます。

新しく担任となった先生が、保護者が子供に対して何を求めているかを知る為のものなのかなと思います。

しかし初めてそのアンケートを子供から受け取った時には戸惑いました。

「どんな子に育ってほしいですか」という質問には今現在の子供にはない個性や特徴を備えさせる.あるいはそれらを捨てさせる必要があるという前提が含まれているように感じました。

それぞれに個性や特徴がある事こそが人であると言う事なんじゃないかと考えている身としては、この質問自体が子供を否定する事に繋がるような気がしました。

そもそも本人の意思とは関係ないところでああなってほしい.こうあってもらいたいと言うのはあまりに自分勝手ではないかと思います。

それこそが子供は親の都合で扱っても差し支えがないという考え方を反映しているようにも感じられます。

確かに親であれば我が子に対する願望と言うものは必ずあるとは思います。

それ自体は自然な事だし悪い事だとも思いません。あくまでも学校側がアンケートとして問いただしてくる事に違和感があるという話です。

そもそもそのアンケートにはどんな意味があるのでしょうか。

仮に保護者の願望を知った学校側が、保護者の願望にそった子に育つように導く教育を施すと言う事なのであれば.それは子供の未来の為の教育とは言えないのではないかと思います。

まず保護者があって、その子供と言う認識をしているように見受けられます。

子供たちがどんな人になりたいか.どんな人でありたいのかと言う事を知り、その為には何を学ぶ必要があるのかを示すのが教育なんじゃないかなと考えています。

とはいえ公立の小学校でそこまで個別に教育をしろと言う方が無理な話なのも分かります。

せめて子供たち一人一人には意思や願望があって.自分の頭で物事を考える事ができるし、保護者とは別の一人の人間なのだという風に認識してもらいたいなと思います。

自分のいないところで他人が自分の事をこうなってほしいだの.こういうところ直してほしいだのと言っているのと同じ事です。

それはあまりに子供に対して失礼なんじゃないかなと思いました。


以上でーす。

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