最高のプレゼンの届け方 | #4. プレゼンの基本
今日から使える「ことわざ・格言・名言・ありがたい先人の知恵」をまとめた「Steal with Pride」シリーズ、そして、参加者の人生の転機となる「魔法がかかったような瞬間」であるマジックモーメントの醸成を目指す「毎回を神回にする」に続く第三弾。今後は「最高のプレゼンの届け方」(全 7 回)をお届けします!
僕のこれまでの知見を言語化した集大成とも言えるプレゼン研修。なんと、過去 3 年 30 回以上 300 人以上の同僚に提供して、Avg CSAT 5.0 満点を維持している「毎回を神回にする」原点を大公開します🎉
今回のテーマは、「プレゼンの基本」。
ポイントは、「相手のの無意識に語りかける」こと。
みなさんは、普段プレゼンをするときに、どんなことに気を付けてますか?
メラビアンの法則
人は複数の感覚から入ってくる情報が矛盾していた場合、話の内容の影響はわずか 7% 。残り 93% は視覚・聴覚からの情報に影響されてしまいます。
みなさんのプレゼンに臨む服装や姿勢、表情や目線の配り方、声のトーンや抑揚の付け方、などなど。プレゼンの内容ではないところにも、細心の注意が必要です。
そこで、まずは自分の癖を認知、そして修正してください。長年、無意識に染み付いた癖は、一朝一夕では、修正できません。
開き直って・・・Fake it till you make it!! 「できるようになるまでは、できるフリ」をしてます。
お勧めは、他の人にプレゼンを見てもらって、フィードバックをもらうか、自分で動画を撮って見直すことです。ものすごく、つらい精神修行ですが、一番効果的です。
その際に、意識すべきことは 3 つあります。
#1. やるべきこと
まず、1 つ目は、やるべきこと。力強い、姿勢・発声・目線です。
力強い姿勢とは、両足を均等に伸ばし、肩はしっかりとした T 字型のバーを作ります。
顔は、真っ直ぐ観客を向き、腕はおへその前で、両手の指先がギリギリつくサイズのボールを抱えるイメージの空間が、みなさんのパーソナルスペースです。
その中で、ハンドジェスチャーをします。そのラインを超えてしまうと、大袈裟になってしまいます。
力強い発声とは、5 段階評価で 4 程度の声量で 、はっきりとした発音、ゆっくりと落ち着いたトーンです。
緊張して、早口や裏声にならないように注意しましょう。
力強い目線とは、1 人につき 3〜5 秒程度のアイコンタクトをします。
ただ、キョロキョロしすぎてもいけません。文章が切り替わるタイミングに合わせて、アイコンタクトをする人を変えると、より自然になります。
#2. やってはいけないこと
つづく 2 つ目は、やってはいけないこと。
場つなぎ音 (Filler Words)、NG ワード、紛らわしい抑揚・・・相当やっかいなやつです。
なぜなら、これらは無意識に言っているので、自分では気づいてない人がほとんどだからです。
みなさん、ご自身の場つなぎ音 (Filler Words) って何か把握してますか?
場つなぎ音のあるあるは「えっと」「あの」あたりですかね。
意外に盲点で、気をつけたいのが、NG ワード。
特に、日本人のプレゼンに多いのは、「思います」。これは、本当に自分の感想を伝える時以外、口癖のような「思います」は、なんの付加価値もありません。
それどころか、どこか自信がない印象を与えてしまいます。代わりに思い切って「です」と言い切った方が、説得力が増します。
また過剰敬語も要注意です。丁寧さを通り越して、文法的に間違ってます。
なんでも「さま」つけたり、へりくだろうとして同僚の紹介の際に「“〇〇という人間が”」・・・人間じゃなかったロボットですか?って。
「させて頂く形になっております”」ってのも、「します」と言い切りましょう。三文字で済むことを、無駄に十八文字で伝えて、相手の時間を浪費することは、失礼に当たります。
ここでも、Less is More. 話し言葉は、Crisp and Concise. 要点だけを簡潔に伝えるほうがインパクトがあります。
文章が長くなってしまう場合は、注意が必要です。
逆接順接の連発で、複数の文章を、やたらむやみにつなげてはいけません。できるだけ、単文として独立させます。
というのも、日本語は、最後まで話を聞かないと結論がわかりにくいからです。話し言葉では、一文をできるだけ短くするように心がけます。
僕は、言いたいことを書き出してみて、句読点の読点が 4 つを超えるなら、2 つの文章に切り分けてます。
超一流を目指すには・・・
プレゼンテーションやファシリテーションにおいて、超一流のプレゼンターやファシリテーターが極めるべきスキルは、適切な「接続語」を意図して使い分けることです。
プレゼンテーションで聞き手の「共感と気づきを醸成するストーリテリング」
ファシリテーションで相手の意見や考えを「引き出して、受け止めて、方向づける」
そのためには、あなたが伝えたいことを複数の簡潔な単文に分けて、適切な「接続語」で繋いで、それらの関係性を明確にします。そうすることで、聞き手や相手は、あなたの話の流れを予期しやすくなり、効率的に、かつ、効果的に、理解を深めることが可能になります。
1. 順序・時系列を示す
まず: 「現状分析を行います。まず、課題を特定します。」
次に: 「課題を特定しました。次に、解決策を提案します。」
その後: 「解決策を提案しました。その後、フィードバックを収集します。」
最後に: 「フィードバックを収集しました。最後に、全体のまとめを行います。」
はじめに: 「プロジェクトの目的を説明します。はじめに、現状分析を行います。」
続いて: 「現状分析を行いました。続いて、課題を特定します。」
そして: 「課題を特定しました。そして、解決策を提案します。」
2. 因果関係を示す
したがって: 「市場競争が激化しています。したがって、我々は製品の差別化を図る必要があります。」
そのため: 「新しい規制が導入されました。そのため、対応策を講じる必要があります。」
なぜなら: 「彼が遅刻したのは、電車が遅れたからです。なぜなら、彼は重要な会議に遅れました。」
その結果: 「努力の結果、プロジェクトは成功しました。その結果、収益が増加しました。」
だから: 「需要が高まっています。だから、供給を増やす必要があります。」
ゆえに: 「データが明確です。ゆえに、我々の仮説が正しいと証明されました。」
3. 対比・対照を示す
一方: 「A案は短期的な利益を生みます。一方、B案は長期的な成長を約束します。」
それに対して: 「前者は効率的です。それに対して、後者は柔軟性があります。」
しかし: 「この方法は効果的です。しかし、コストが高いという欠点があります。」
にもかかわらず: 「予算が限られています。にもかかわらず、プロジェクトは成功しました。」
反対に: 「夏は暑いです。反対に、冬は寒いです。」
逆に: 「彼は優れたプレゼンターです。逆に、時々話が長くなりがちです。」
4. 補足・追加を示す
さらに: 「この戦略は効果的です。さらに、実施にあたってのリスクも最小限に抑えられます。」
加えて: 「このプロジェクトは成功しました。加えて、次のステップも計画されています。」
また: 「彼は優秀なエンジニアです。また、リーダーシップもあります。」
それに: 「この方法は簡単です。それに、コストも低いです。」
その上: 「彼は努力家です。その上、常に前向きです。」
おまけに: 「彼は優秀な選手です。おまけに、学業も優れています。」
5. 例示・具体化を示す
例えば: 「顧客満足度の向上が必要です。例えば、応対品質の改善やサービス範囲の拡大が考えられます。」
具体的には: 「改善が必要です。具体的には、リーダーシップ研修を実施します。」
言い換えれば: 「この方法は効果的です。言い換えれば、コスト削減が可能です。」
つまり: 「彼はプロジェクトマネージャーです。つまり、全体の進行を管理します。」
6. 要約・結論を示す
要するに: 「これらの分析から、要するに、新規事業への投資が最も有効な戦略だと言えます。」
結論として: 「このプロジェクトは成功しました。結論として、我々のアプローチが正しかったと証明されました。」
まとめると: 「これらの要素を考慮しました。まとめると、この戦略は効果的です。」
結局のところ: 「様々な意見が出ました。結局のところ、最初の計画が最適です。」
総じて: 「総じて、プロジェクトは順調に進んでいます。」
7. 転換・話題変更を示す
ところで: 「以上が財務状況の説明です。ところで、次に今後の事業計画について議論しましょう。」
さて: 「この件については十分に話し合いました。さて、次に具体的な対策についてお話しします。」
では: 「これが基本的な概要です。では、次に進みましょう。」
それはそうと: 「これで終わりです。それはそうと、新しいプロジェクトについてお話ししましょう。」
話は変わりますが: 「前のトピックはこれで終了です。話は変わりますが、新しいマーケティング戦略についてご紹介します。」
8. 強調・重要性を示す
特に: 「様々な要因がありますが、特に、技術革新のスピードが我々の成功を左右します。」
とりわけ: 「この問題は重要です。とりわけ、安全性に関わることです。」
何よりも: 「何よりも、顧客満足度を最優先に考えています。」
最も重要なのは: 「最も重要なのは、チームワークです。」
注目すべきは: 「注目すべきは、彼のリーダーシップです。」
9. 条件を示す
もし~なら: 「もし市場シェアが5%増加するなら、収益は大幅に改善するでしょう。」
~場合は: 「この方法を使う場合は、注意が必要です。」
~前提とすると: 「成功を前提とすると、次のステップは明確です。」
仮に~とすれば: 「仮にこの方法が失敗したとすれば、他のオプションがあります。」
もし~だったら: 「もし彼がリーダーだったら、もっと早く進んでいたでしょう。」
10. 譲歩・部分的同意を示す
確かに~が: 「確かにコストは上昇しますが、品質向上による顧客満足度の上昇で相殺されるでしょう。」
~ではあるものの: 「この方法は効果的ではあるものの、リスクもあります。」
~認めるが: 「彼の努力は認めるが、結果が伴わない。」
たしかに~ですが: 「たしかにその通りですが、別の視点も考慮すべきです。」
もちろん~だが: 「もちろん彼の意見も重要だが、全体のバランスを考える必要がある。」
11. 比較・類似を示す
同様に: 「前回のプロジェクトと同様に、今回も綿密な準備が成功の鍵となります。」
それと同じく: 「この手法は、それと同じく効果的です。」
~に似て: 「このアプローチは、前の方法に似ています。」
~と同じように: 「このシステムは、他のシステムと同じように使えます。」
同じく: 「新しいポリシーは、前のものと同じく重要です。」
12. 目的・意図を示す
~ために: 「生産性を向上させるために、新しい業務システムを導入します。」
~目指して: 「成長を目指して、新しい市場に進出します。」
~目的として: 「顧客満足度の向上目的として、サービスを改善します。」
~のように: 「彼の成功のように、私たちも努力を続けます。」
~するために: 「リーダーシップを発揮するために、まず自分を知ることが重要です。」
また、独り言は口に出さずに、心の中に留めてください。本番で、トラブルやミスはつきものです。ただ、ピンチはチャンス!
スライドがうまく投影されない場合は、それまでの振り返りとして要点をサマってみたり、聞き手の理解を確かめるべく、質問してみるのも良いですよ。
むしろ、開き直って Enjoy the Silence。沈黙を楽しむようにしてください!
場つなぎ音や NG ワードを、つい、言いそうになったら、ビビらずに、グッと息を飲んで、堂々とした態度で、一呼吸置きます。
そうすると、聞き手は、みなさんが、ただ「間」を取っていると勘違いします。結果的に、聞き手が、それまで聞いたことを咀嚼する余裕が生まれるので、一石二鳥なんです。
これらの癖がちゃんと治るまでには、通常、数ヶ月から半年程度はかかります。Fake it till make it で、根気強く取り組みましょう!
#3. やれるといいこと
最後の 3 つ目は、やれるといいこと。権威と愛想の両立です。一見、相反しそうな 2 つですが、どちらがかけても、うまくいきません。
権威だけでは、偉そうな印象を与えてしまい、聞き手との距離が生まれます。また、愛想だけでは、不安な印象を与えてしまい、聞き手から信頼されません。
ときには、毅然とした態度で、ときには、愛想を振りまく、ツンデレの絶妙なバランスが必要です。
次回のテーマは、「効率的なスライド作成」です。
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FYI:併せて 「Steal with Pride」「毎回を神回にする」シリーズもどうぞ!