最高のプレゼンの届け方 | #1. 最高のプレゼンの心構え
今日から使える「ことわざ・格言・名言・ありがたい先人の知恵」をまとめた「Steal with Pride」シリーズ、そして、参加者の人生の転機となる「魔法がかかったような瞬間」であるマジックモーメントの醸成を目指す「毎回を神回にする」に続く第三弾。今後は「最高のプレゼンの届け方」(全 7 回)をお届けします!
僕のこれまでの知見を言語化した集大成とも言えるプレゼン研修。なんと、過去 3 年 30 回以上 300 人以上の同僚に提供して、Avg CSAT 5.0 満点を維持している「毎回を神回にする」原点を大公開します🎉
今回のテーマは、「最高のプレゼンの心構え」。
一言で言うなら 「Steal with Pride! 」毎度お馴染みのフレーズです。ご紹介する僕のやり方が、必ずしもみなさんにとってベストとは限りません。
それでも、その中から何か 1 つでも多くのものを・・・プライドを持って自分のものにしてみてください。
プレゼンの先のストーリーテリング
プレゼンにおいて、まず、意識すべきは「伝えるプレゼンは、二流。伝わるプレゼンは、一流。動かすストーリーテリングが、超一流。」だということ。
「伝える」の主語は自分。 自分の考えや物事を相手に一方的に提供するだけで、相手がそれを受け取ったかどうかは関係ありません。
たとえ、専門用語を使ってどんなに丁寧に伝えても、相手にその知識がなければ、結局、理解はされず、お互いにとって時間の無駄になります。
「伝わる」の主語は相手。自分の伝えたい事が、きちんと相手に理解を得られている状態です。相手の目線や思考に合わせて、相手が理解できるように伝えることが大事になってきます。
大前提として、相手は、「自分が知っていることを知らない。自分の当たり前は、相手の当たり前ではない。」ということを意識しなければなりません。
理想的には、プレゼンではなく、相手を動かすストーリーテリングを目指しましょう!
プレゼンは獲得できるスキル
プレゼンは、決して生まれ持った才能ではなく努力をすれば獲得できるスキルです。
必要なのは知識を得て、経験を積むこと。これができれば、一人前です。
その上を目指すなら好きになること。これができれば、上級者です。
さらにその上を目指すなら楽しむこと。これができれば、免許皆伝です。
2500 年以上もの昔・・・孔子は言いました。
「これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。」
つまりは、「プレゼンをできる人は、プレゼンを好きな人には勝てない。ただ、プレゼンを好きな人でも、プレゼンを楽しんでる人には勝てない」からです。
まだ、好きになれない、楽しめないという方も・・・知識を得れば、見える景色が変わり、経験を積めば、感じる世界が変わります。
最高のプレゼンにおける成功の定義
最高のプレゼンとは、相手が主役のストーリー。相手が話し手の期待する行動を取ることで初めて成功となります。
でも、これって、簡単じゃないですよね・・・言うは易く行うは難し。なぜなら、カナダの精神科医、エリック・バーンはこう言ってます。
「他人と過去は変えられない。でも、自分と未来は変えられる。」
他人である聞き手に、勝手に変わってもらうことは期待できません。
だからこそ、聞き手を主役にして、聞き手目線で語りかけ、聞き手自らの意思で行動させることができれば、プレゼンは大成功と言えます。
では、どうすれば、成功に一歩でも近づけるのか?・・・逆に、失敗しがちな典型的なパターンのイメージを見てみましょう。
最高でないプレゼン
みなさんも、これまで聞いた他の人のプレゼンで、途中で迷子になったり、「で・・・結局何が言いたかったの?」って経験ないですか?
その手のプレゼンをイメージで例えるなら玉石混交なカオスな状態。大事な宝石が、岩に隠れてしまっています。
そうならないためにも、余計なものは極力排除!聞き手のベネフィット、つまりは、宝石がどこにあるのか、一目瞭然にしてください。
スライドにしても、話す内容にしても、可能な限りクリーンアップします。それでも、話の組み立て方が悪いとなんだか道に迷いそうです!
聞き手にとって、どの順番で宝石を拾うのが、効率的で、かつ、効果的なのか。聞き手を迷わせず自然と目的地へ導くストーリーが必要です!
減点無しで加点を狙う
そのためには、まず、コンテンツの価値を高めなければなりません。
もともとのコンテンツの価値が 100 だったとしてもスライドやプレゼンが分かりにくく、そこに聞き手が主役のストーリーもなければ、その最終価値は半減してしまいます。
理想的には、スライドやプレゼンは、もともとの価値を損ねることなく、そこに聞き手が主役のストーリーがあれば、自ずとその最終価値は高まります。
これって自分が聞き手の立場では気づきやすいのですが・・・いざ、プレゼンする話し手の立場だと、意外と気づけない盲点です。
聞き手の無意識に働きかける
人間の脳の働きを理解しましょう!人間の記憶の種類は、大きく分けて 3 つ。一瞬だけの感覚記憶、15〜30秒程度の短期記憶、そして、半永久的な長期記憶です。
一期一会のプレゼン機会で、特に意識すべきは、短期記憶。その限られた持ち時間で、聞き手の短期記憶に効果的に働きかけなければ、すぐに忘れ去られてしまいます。
マジカルナンバー
効果的なテクニックの 1 つがマジカルナンバーです。
古くは、ハーバード大学の心理学者ジョージ・ミラー教授が 1956 年に提唱した 7±2 と呼ばれるもの。当時は、人間が一度に記憶できる限界は 5-9 個くらいとされていました。
ただし、最近では、アメリカのミズーリ大学の心理学者ネルソン・コーワン教授が 2001 年に提唱した4±1 が主流です。たしかに、5-9 個よりも 3-5 個の方が覚えやすいです。「パーソナルコンピューターはパソコン、プレゼンテーションはプレゼン、木村拓哉はキムタク」など、四文字略語の方が記憶に残りやすいですよね。
ちなみに、安全を取るなら、3 つが無難です。みなさんも「要点は 3 つにまとめろ!」なんて言われたことありませんか?コンサルがよく使う手法です。
スライド作成においては、色やフォントサイズ、表や図形に至るまで、使用する要素の数を絞ってください。そして、プレゼンにおいては、ハイライトしたいポイントを 3-5 個に収めてください。
言い換えるなら、スライド作成やプレゼンテーションに共通する基本的な考え方は、この一言に尽きます。
Less is more!! 「少なさこそ豊かさ。」
Less is more!! 「少なさこそ豊かさ。」これは、「 神は細部に宿る」でも有名な、近代建築の三大巨匠の一人であるルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエの言葉です。
1 枚のスライド上に情報を詰め込んだり、言葉数が多くて話が必要以上に回りくどくなると、聞き手は迷子になりやすくなります。
スライドにしてもスクリプトにしても、良かれと思って色々付け足してまうと「小さな親切、大きなお世話」、または、「策士、策に溺れる」のでご注意ください。
次回のテーマは、「スライド作成の基本」です。
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FYI:併せて 「Steal with Pride」「毎回を神回にする」シリーズもどうぞ!