「銀翼のイカロス」本を読んだ感想

「銀翼のイカロス」 池井戸 潤(著者)

 半沢直樹シリーズ4作目。今度の半沢の任務は経営危機に瀕する巨大航空会社・帝国航空の再建だ。

 苦労してなんとかうまく軌道にのったところでお約束の横槍が入るのだが、今回の敵は政権交代で新たな与党となった政党、そしてアナウンサー出身のパフォーマンスに長けた女性国務大臣だ。(某議員をめちゃくちゃ彷彿させる(笑)

 そして半沢の宿敵でもあるあの男が久々に登場してくるのだ!さらに旧S、旧ㄒの派閥争いもまたまた邪魔をしてくる。

 今回ばかりはさすがの半沢も万事休すといった状態に陥るが、やはり持ち前のポテンシャルでのりきる。そして最後に半沢、そして中野渡頭取が苦渋の決断を下すのだが、そこにバンカーとしての矜持が溢れていてしびれるのだが、同時になんだか切なさも感じる。

 経営者として、社会のため、会社のため、そして社員の未来のために今何をすべきか。自分の保身を顧みず、それらのことを単純に真剣に考えぬいた中野渡頭取は、昨今不正ばかりが明るみになることの多い日本企業がみ習うべき経営者なのではないか。池井戸作品は他のシリーズも通して日本企業に対するそんな強いメッセージを感じられる。

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