「ICO〜霧の城〜」本を読んだ感想
「ICO -霧の城- 」 宮部 みゆき(著者)
宮部みゆきが書いているので、もしかしたら違うかも?と思ったが、やはり昔やった名作ゲームのノベライズだった。
村のしきたりで何年かに一度生まれてくる角の生えた子どもは、12歳頃に生贄(ニエ)として霧の城に差し出される。これまで生まれてきたニエとは違い、太陽神の加護を受けた特別な子ども「イコ」は、霧の城で囚われの少女「ヨルダ」と出会い、二人で城から脱出を目指す。
その道程でイコは様々な真実を知ることになり、絶望の淵に落とされる。でも誰よりも純粋でまっすぐなイコはヨルダを助けるため、村に帰るため、霧の城のぎせいの魂を救うために絶望に立ち向かう。
ゲームではほとんど文章や語りはなく、プレイヤーは美しいグラフィックに魅せられ、そこから考察するしかなかったが、このノベライズを読んで「こんなシーンあったな」とか「あれはそういう意味だったのか」と色々な発見があったので読んでいて楽しかった。
もちろんゲームをプレイしたことがなくても楽しめる作品だと思う。
イコはゲームで感じた以上にまっすぐで優しい少年だし、ヨルダの少し寂しげの表情の裏には悲しい過去があった。今また再びゲームをやったら、そんな二人が手をつないでいる姿により感傷の心が湧くであろう。
イコはこの物語で一つの大きな選択に迫られるが、はたして自分たったら同じ選択ができただろうか。イコのようにどんな困難が待ち受けていても皆が幸せになれる道を選べるような強い心を持ちたいものである。
この作品のキャッチフレーズがあったと思うが、思い出せないので分かれば教えて欲しい。