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【詩】「小旅行記:帰宅に際し、御礼にかえて」~永寿病院のこと~
「小旅行記:帰宅に際し、御礼にかえて」
思いがけず持ち上がった突然の小旅行。
荷物も持たずに辿り着いたのは、町の総合病院だった。
窓の下には、よく知る町並みが広がっている。
手の届きそうな距離に、自分の家もはっきりと見える。
新たな視点から町を見ていると、次々に発見がある。
自分が思っている以上にこの町を知らないこと、
そして思っているよりずっと、この町に愛着があることを知る。
自分が今いるのが、町を護る砦の中のような気がしてくる。
窓の上には明るい青空が広がっている。
ゆっくり流れる雲を見ていると、
自分も砦の中で護られているような気分になる。
砦を護る人々は数えきれないほど沢山で、
いつも忙しくて、めまぐるしく交代していて、
でもどの人も優しく親切で、いつも笑顔だ。
その笑顔を見るたび、護られている、という気持ちが強くなる。
砦で過ごした日々の中で、
砦の外の人たちにも護られ、支えられている自分を知った。
砦で過ごす事を許してくれた人たち、沢山の手紙をくれた人たち、
ひとときを共にすべく砦へ足を運んでくれた人たち。
みんなみんなありがとう。
みんなとこの町の幸せが、今日も護られますように。
初出=『みふみのトーキョー彩・時・記』@『ココログ』(2008/12/17)
もうまもなく、12年になります。。。
突然、脳梗塞と間違われるような苛烈な症状に襲われて、泣きながら駆け込んだ病院…それが永寿病院でした。
いろいろな検査を経て、口腔歯科に相談するように、と言われたのも永寿病院でした。
そこから始まった連日の「顎関節症」治療と、依然ハードな勤務状況。。。年末のとある早朝、営業時間前の待合室に転げ込んだ私を、そのまま受け入れてくれたのも永寿病院でした。
…1週間、病室で徹底的にお世話になりました。その後も幾度となく、助けてもらって来ました。
退院したあの冬の日、
「私にできることは、この感謝の気持ちを言葉にすることだけだ」と思ってこの詩を書きました。
今、日々ニュースを見ていて、
私にできることは、泣くことと祈ることだけのように感じています。
でも、誰かに、伝えたい。
あの病院が、立派な砦なのだという事を。
もう一つ、私にできることとして、砦の中の人々が今も戦っていること、そして病に打ち勝つことを、私は信じます。
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![PD * みふみ](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/24677608/profile_a2a66bab18e7681c39a12d045b8d81f8.png?width=600&crop=1:1,smart)