今だから、同じ景色をみたい〜生配信高座覚書〜
東京も、ついに緊急事態宣言が解除されましたね。
以前に、緊急事態宣言期間中の落語生配信をなるべく追ってみたい、と言ってみたものの。
様々な演者さんが様々なトライをされている中、観る側は観る側で、やはり様々な時間や事情の制限があるわけで…結局、1ヵ月、さほど生配信を視聴できずにアーカイブ頼みだったワタクシです。
けれど昨日、一昨日と、週末の時間を調整して、バッチリ生配信をフォロー(とか言ってますが、各種設定に苦戦しまくり…)。
「#古今亭菊之丞でじたる独演会」覚書
#でじたる大喜利 (5月23日20時開演)
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「天狗裁き」 古今亭菊之丞
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でじたる大喜利 古今亭菊之丞
(ゲスト:柳亭こみち・五明楼玉の輔)
~自粛解除になったのにアイツが家から出てこない。何があった?~
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*大好きな師匠の「天狗裁き」、いつもは可笑しさに我を忘れてしまいがちですが、配信というフィルターを通した今回、改めて個々の所作の意味や美しさを味わう。トークで所作の説明があったのも、興味深く。
*師匠、初めてと仰りながら、堂々の双方向大喜利司会。ここまで真っ向時事ネタ、の師匠、今だからこそ。判定の、
「よせよっ!」と「音羽屋!」ってセンスが素敵、楽屋っぽい ♪
*サプライズで、まめ菊さんのバースデーをお祝い♪
*菊之丞師の以前の「#古今亭菊之丞でじたる独演会」の記事はこちら↓↓
「午後のzoom落語会~負けるな一左これにあり」覚書
祝 真打昇進披露興行 (5月24日14時開演)
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「磯の鮑」 春風亭柳朝
「幇間腹」 古今亭菊之丞
「粗忽の釘」 春風亭一左
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~真打昇進披露・手締め~
*3月からの外出自粛要請と、それに続く緊急事態宣言で、生涯一度の真打昇進披露興行日程を9割削減されてしまった一左師匠のために、兄弟子の柳朝師が企画したお祝いの会。
*一左師、熱演。もともと上手なおかみさんもさることながら、ご亭主を気持ち良さそうに演じて…リラックスした雰囲気の漂う高座。
*高座中はミュート設定になっていた各観客側の音声を、終盤、開放して、真打昇進披露興のメインイベント「三本締め」をオンライン&双方向で実施!
*一左師の、真打昇進披露興行大初日の記事はこちら↓↓
リアルの寄席通いでは、いつどんな番組を楽しむか、という判断に、アクセス事情なども強く影響していたのに。
そういった条件が取り払われた今、都度都度、自分の中で、優先度やその理由を明確にしようと自問している気がします。
自宅の中で、相方をほっぽり出して画面にかぶりつく、という状況ゆえ、でしょうか。
自分にとって、今やることに意味がある! と強く感じる番組や、手段はどうあれ今、時間をともにしたい、という方々が日々クリアになっていく。
実際には会場へ足を運ぶ方が、余程時間を費やすのに…コロナ禍は、私たちの「今」という時間の価値を、時間を共にする、という行動の重さを、大きく変えたのかもしれません。
いただくメールやメッセージの一つ一つの重みも、こんな世界になる前と今とでは、明確に重みの差を感じたり。本当につながっていたい方々の輪郭がクリアになっていく。
落語の生の高座をはじめとしたエンタメのように、決定的にどうにもならないことがある反面、案外、自宅でも、オンタイムでなくても、用が足りることも多い、と知った私たち。
これからは、より傍にいたい人、つながりたい人、同じ景色を見たい人、の基準が高くなって行くのでしょう。
仕事で出社を強制されて「濃厚接触強要ハラスメント訴訟」なんて事が発生するかも…などと思った週末でした。