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「岩合光昭の世界ネコ歩き」から見える、ネコたちの素顔と魅力に迫る (元教授、定年退職283日目)
「世界ネコ歩き」で学ぶ: 岩合光昭さんとネコの心温まる瞬間
先日、NHK BS の番組で動物写真家・岩合光昭さんの「世界ネコ歩き」のダイジェスト版を観ました(下写真)。以前、note でも触れました(12/17)「日本縦断 こころ旅」の朝7時 45 分からの枠で放送されていました。私は note の記事を8時前後に投稿することが多いため、早く投稿できた時に少し観ることができますが、今週はこの「世界ネコ歩き」が放送されていました(週ごとに番組が入れ替わるようです)。
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実は、奥様が幼い頃に猫を飼っていたこともあり、猫の話はよく聞いていました。しかし、正直なところ、最初は番組を何となく眺めているだけでした。ところが、見続けているうちに、次第にその魅力に引き込まれていきました。岩合さんの撮影技術は本当に素晴らしく、特にネコたちとの絶妙な距離感にはいつも感心させられます。警戒心の強いネコたちが、岩合さんのカメラの前では、驚くほど自然体で生き生きとした表情を見せます。まるで、岩合さん自身がネコの世界に溶け込んでいるかのようです。例えば、草原を駆け回る猫を正面から捉え続ける映像がありますが、これはネコが岩合さんに寄り添って一緒に歩いているからこそ可能となるシーンなのです。
愛すべきネコたちの知られざる習性
番組で興味深かったのは、「猫識」というネコの生態に関する知識を紹介するコーナーでした。今回は「ネコの頭突き」についてでした。ネコが親愛の情を示す独特の行動で、頭部にある臭腺でマーキングし、相手を「自分のもの」と示す行動だそうです。子供が親に甘えるように頭をこすりつけたり、友だち同士でふざけてぶつけ合っています。また、飼い主に頭をすり寄せたり、犬やヤギにも同様の行動を見せていました。面白かったのは、岩合さんがネコに自ら頭を擦り付けようとしたところ、嫌がられてネコパンチをもらった場面です。(下写真もどうぞ)
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<追記> 私は学生時代の友人に久しぶりに会うと、10 年ぶりの再会でも「ヨッ!」と一言交わす程度です。時には、子供が戯れているように肩をたたき合ったりすることもありましたが、それは今思えば照れ隠しで、早く昔のような親しい関係に戻りたいという気持ちの表れだったのかもしれません。この友人たちと肩を叩き合う習慣は、ネコ社会における「頭突き」に通じるものがあるかもしれません。
前日の「猫識」では「ネコに学ぶおねだりの極意」も紹介されていました。人間に対してだけ見せる行動だそうですが、確かにネコのおねだりは可愛らしいものです。前足を揃えて座り、上目遣いでじっと見上げる仕草や甘えた高い声(いわゆる猫撫で声)で、飼い主は思わずにやけてしまいます。こうした愛らしい甘え方は、人間のコミュニケーションにも学ぶべき点があるかもしれません(笑)。
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飼い主と散歩するネコが教えてくれた絆
以前の映像では、山口県周南町の「ボウ」というネコと、飼い主のおじいさんの物語が紹介されました。約 10 年前の映像でしたが、ボウはおじいさんと付かず離れず、まるで連れ添うように散歩をするのです。犬とともにネコが一緒に散歩をするのは珍しい光景です(下写真)。おじいさんが少し早く行ってしまうと後ろで甘えた声をあげ、逆にボウが早く行きすぎると立ち止まっておじいさんを待っていました。
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時を経て、ボウはすでにこの世を去りましたが、おじいさんは今も健在で、新しいネコと同じように散歩を続けている映像を見たときは、胸が熱くなりました。京都美山の「義経」という猫とおじいさんの散歩風景も、忘れられません。山間の美しい風景の中、ゆっくりと時間をかけて散歩をする姿は、心安らぐものでした。こうしたネコと人間との間に育まれる温かい絆を見せてくれるのは、「世界ネコ歩き」ならではの魅力です。(タイトル写真、下写真もどうぞ:注1)
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「世界ネコ歩き」ベスト5選: おすすめシーンのご紹介
明日は、「世界ネコ歩き」の中から特に印象的だった My ベストシーンをランキング形式でご紹介します。海外の映像から、アルプスで動物や小さな女の子と遊ぶシーン、ドイツのお屋敷でネズミとの追いかけるシーンなど、楽しい映像が盛りだくさんです。写真でどこまで伝わるかわかりませんが、どうぞお楽しみに!
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注1:NHK BS「岩合光昭の世界ネコ歩き」より